フロム・ザ・バレル ニッカ
NIKKA WHISKY FROM THE BARREL
アルコール度数:51.4%
容量:500ml
ブレンデッドウイスキー
地域:日本
【香り】
黒糖をイメージする香りや干しプルーンなどのドライフルーツを思わせる香りなど、全体的に甘やかな香りが強いが、やや酸味も混ざっている。落ち着いてくると、微かなプラスチックや金属のような人工的な香りが混ざるように感じる。ピートはあまり感じないが、少量加水で少し濃くなる。
【味わい】
アルコールの刺激が強いが、味わいとしてはまろやかに感じる。渋みはほとんど感じられず、甘さを強く感じる。ただ、コシが強いので、高い度数が苦手な方はロックで飲むと良いのではないか。もっとも、フロムザバレルという銘柄を楽しむならば、是非ともストレートで飲みたい。
【もう少し詳しく】
やってまいりました「フロム・ザ・バレル」。勝手に略して「FTB」。「U.S.A!」と叫ぶように「F.T.B!」と叫びたくなるボトルです。
のっけからテンションが高くて恐縮ですが、私が「ニッカってすごいな」と思ったきっかけの1つが、このFTBです。
私が初めてFTBを買ったのは、就職した後でした。酒屋の隅っこで埃をかぶり、少し値引きされていました。確か1500円ぐらいだったと思います。その後、何本か飲んできましたが、今回のボトルは結構前に買ったボトルです。
そのため、ラベルに製造番号「10G42B」が印刷されていますね。
当時の私は、まだまだお金もなくて500mlで1500円は高く感じました。ただ、四角いデザインのボトルに心惹かれ「まあ、ディスプレイぐらいにはなるだろう」ぐらいの感覚で購入しました。
で、持ち帰って飲んでみると、これがまた美味かったわけです。ストレートでも美味いし、少量加水しても美味い。オンザロックでは、ちょっとコシが弱くなりますが、それでも十二分に美味しいです。
ちょっと変化が欲しければ、ハイボールでも楽しめます。なんというか、万能選手で「これぞブレンデッドの鑑」と言いたくなります。
なお、今回はニッカということでウィルキンソンのタンサンを使いました。ニッカさんによると「ウイスキーとソーダの割合は、[1:3.5]前後がおすすめ。」とのことです。
個人的にはFTBはデイリーウイスキーだと思っています。
そのため、「ああ、フロム・ザ・バレルというのはね、ISCで賞を獲ってね、マリッジでね……」と語るより「おほー、こいつぁすげーな!美味んめーブレンデッドだなー!」と野沢御大の御声をイメージしながら飲んだ方が美味しいと思います。
ちなみに、この四角いボトルにも難点があります。ネックが短いので、私のような不器用人間には、すごく注ぎにくいんですよね。最初はこぼしてしまったこともありました。
コツとしては、パッと傾けてサッと注いでシュッと戻すことです。「そんな長嶋茂雄さんみたいな助言されても、うまく注げねーよ」という方は、是非ポアラーをお使いください。ただ、個人的には注ぎにくさも含めてFTBの無骨さなのかなーとは思います。
ニッカウヰスキーは、「業務用ですか?」と言いたくなるようなシンプルなデザインが多くて、そういうところも好きでした。
今となってはFTBも2500円近くまで値上がりしたので、他の選択肢も考えられるかもしれません。でも、少し前の終売ラッシュでも生き残ったことから、あらためて人気が高いんだなあと思い知らされました。
ちなみに、再貯蔵「マリッジ」についてや、ボトルデザインが佐藤卓さんといった蘊蓄が、オフィシャルサイトで紹介されています。
是非、ご覧ください。