琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

北杜 50.5°(終売品)

はじめに

平成30年7月豪雨で亡くなった方々に対して、心からお悔やみを申し上げます。大勢の行方不明の方々がいらっしゃいますが、少しでも多くの方が助かってほしいと願っています。

ご無事だった方々におかれましては、暑い時期ですし、衛生面にお気をつけてください。ゼロからの再出発という方も多いと伺っています。少しでも早く平穏な生活が戻られるよう、私もできることをします。

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北杜 50.5
アルコール度数:50.5%(50.0%以上50.9%以下)
容量:600ml

最低熟成年数:不明
地域:日本
種別:ブレンデッドウイスキー
備考:ノンチルフィルタード、竹炭濾過

【香り】

最初はアルコール度数の高さが強く主張する。落ち着いてくると、糖蜜のような強い甘みを感じる香りが出てくる。また、奥にややドライでオーキーな香りも感じられる。

【味わい】

香りと同様に、ほのかなピートを感じさせつつ甘くまろやかな味わいを感じる。ただ、アルコール度数の高さが逆効果になっていると感じる。

少量加水でアタックは和らぎ、かなり甘い部分が目立つようになる。その一方で、焦げたような香りも強調される。この焦げたような香りは、オンザロックで飲むことで軽減される。

ハイボールでは非常に飲みやすいが、食中酒として飲むには、やや甘みが強いように感じた。

【もう少し詳しく】

サントリーさんが発売した「北杜」シリーズは、2004年に「北杜12年」がリリースされました。ちょうど平成の大合併の最中で、白州蒸溜所が位置する旧白州町も合併によって北杜市になりました。

今回の「北杜」シリーズは、その北杜市誕生を記念したブランドです。……と公式には言われていますが、北杜12年の発売当初から「竹鶴12年の対抗ブランドじゃないの?」と囁かれていました。もっとも、ボトルデザインも全然違うし、憶測の域を出なかったんですね。

ところが、この「北杜50.5」が発売されたとき、ウイスキー界隈の一部が「いや、サントリーさん、それはちょっと……」とざわついたことを覚えています。

その理由は色々あります。例えば、先行の北杜12年がヴァッテドモルトウイスキーだったのに、北杜50.5はブレンデッドウイスキーだったというのも1つの要因でしょう。

ただ、もっと他に大きな理由があります。

2005年にキリンさんがリリースした「富士山麓 樽熟50°」に、色々と似ていたことです。まず、製品情報から比べましょう。

 

富士山麓 樽熟50°

北杜50.5°

種別

ブレンデッドウイスキー

ブレンデッドウイスキー

最低熟成年数

表記無し

表記無し

容量

600ml

600ml

アルコール度数

50%

50.0%以上50.9%以下

実売価格

900~1000円前後

900~1000円前後

ほぼ同じスペックですよね。次に外観を比較してみましょう。両方とも白を基調としています。

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もちろん違うと言えば違うし、似ていると言えば似ている……そんなギリギリのところを攻めた北杜50.5°ですが、実を言うと味わいは全然違いました。

ただ、とにかく外観やら製品情報が似ていたことから「ニッカの次はキリンの真似かよ」とか「ちょっとやりすぎだろ」という批判的な声も多く、評判はあまり良くなかった記憶があります。

f:id:pasapasadayo:20180709222630j:plainさて、そんな北杜50.5°を、今あらためて振り返ってみます。

売りにしているのは「白州竹炭ろ過」でしょうか。「甘く伸びのある芳醇な香りと、コクがあり、まろやかな味わい」と謳っています

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ただ、このキャッチコピーを体感するには、ストレートで飲むと度数の高さが邪魔しているように感じました。ですから、飲み方としてはオンザロックが良さそうです。

北杜12年のCMで岡田准一さんを起用して話題を呼びました。*1その際も、オンザロックで飲んでいました。

f:id:pasapasadayo:20180709223304j:plain北杜12年の発売時期には、サントリーさんは「ハーフ・ロック」なる飲み方も推奨していったと記憶しています。この「北杜50.5」も「ハーフ・ロック」で飲むことを想定しているのかもしれません。

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ハイボールも悪くないですね。甘―い感じですし、くいくい飲めます。ただ、食中酒として飲むには、やや甘みが強いかもしれません。

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一人でじっくり飲むというよりも、小集団で雑談でもしながら飲むのが似合うウイスキーだと思います。私としてはオンザロックをおすすめします。

では、今日はこのあたりで失礼します。

*1:動画投稿サイトで、まだ見られます。