グレンドロナック 18年 アラダイス
GLEN DRONACH
ALLARDICE AGED 18 YEARS
最低熟成年数:18年
容量:700ml
アルコール度数:46%
国:スコットランド
地域:東ハイランド
種別:シングルモルト
【香り】
カカオのような香ばしさ。黒砂糖のような甘い香り。ラムのような印象も受ける。濃厚な果実の香り。時間が経つと絵の具のような香りも微かに混じる。
【味わい】
重厚にして濃厚な味わい。糖蜜やミルクチョコレート、レーズンといった濃い甘味とともに、アンズやオレンジ、パイナップルといった暖かみのある酸味を感じる。ジンジャーのようなスパイシーさも少し感じる。
余韻は長く、少し塩キャラメルのような味わいも感じる。また、微かではあるが、麦焦がしのような香りが淡く鼻孔に抜ける。
【もう少し詳しく】
突然ですが、今日はちょっと疲れています。「よし、今日はドロナック18年だ」と思いながら帰宅しました。
グレンドロナック18年。ヨーロピアンオークのオロロソシェリー樽100%の濃厚シェリー系のウイスキーとして有名です。私なんぞが今さらくどくど書かなくても良いかもしれません。
このドロナック18年は、私の大好物です。そして、私の精神状態を測るバロメーターでもあります。これを飲んで美味しいと感じられないときは、弱っているときです。
逆に言えば、これが美味しいときは身体的に疲れていても、精神的には元気な状況です。今日は非常に美味しいです。ありがたいですね。
というわけで、今日はエアコンが利いた部屋で、これを読みながら飲みました。店長かわいいよ店長。
ちょっと脱線しましたね。話を戻します。
グレンドロナックは1826年に蒸留所が建てられました。*1場所は東ハイランドです。ドラクロワが絵を描いていたりベートーヴェンが亡くなる前年だったりします。
グレンドロナックと言えば休止とか所有者の変更が話題になりますね。最近の変遷をまとめると、こんな感じでしょうか。
ちなみに、ブラウンフォーマン社は、ジャックダニエルを作っている会社です。ベンリアック社を買収したことにより、5大ウイスキーのうちジャパニーズ以外の蒸溜所を所有していることになります。
ところで、グレンドロナックと言えばスコットランドで最後まで石炭直火蒸溜を続けていたことでも有名ですね。ただ、2005年にはスチーム式の加熱方式に切り替えられました。
このあたりの話はマイケルジャクソン氏の『ウイスキー・エンサクロペディア』には、以下のように書かれています。
蒸溜所は1996年から2002年まで操業を休止していた。
(中略)
悲しいことは、この計画に、火力を石炭からスティーム・コイルに代えることが含まれていることだ。
『ウイスキー・エンサクロペディア』P168-169
日本語版『ウイスキー・エンサクロペディア』は2007年初版なのですが、原本である『Encyclopedia of Whisky』の初版は2005年なので、石炭からスチームに変更される、ちょうど過渡期だったのでしょうね。
なお、石炭直火蒸溜と言えば余市を忘れていはいけませんね。ニッカさんによると、世界の中で余市だけが石炭直火蒸溜を続けているそうです。*2
今回の18年につけれらた「アラダイス」は創業者のジェームス・アラダイス(James Allardice)氏に因んでいます。
創業者の名前を冠しているだけあって、非常に美味しいです。ちょっとお値段は高いのですが、間違いない美味しさだと思います。
怖いのは、終売の噂があることです。上でも触れたように、1996年から2002年前閉鎖されています。つまり、この間の原酒が無いということになります。
ベンリアック12年のように、ある日突然「終売でーす」とならないことを願いながら、本日はこの辺で失礼します。
*1:と言っても実際は、その前からウイスキー作りは行われていたようですが。
*2:余市見学ガイド https://www.nikka.com/guide/yoichi/map/map03.html