アルコール感が苦手な場合
はじめに
アルコール感にひるむ瞬間は2回あるのではないでしょうか。1回目はグラスを鼻の近くに持っていったとき、2回目はウイスキーを口の中に含んだときです。
では、鼻をつまんで飲めばいいのかと言えば、そんなわけないですよね。
それならば、アルコール度数が低いお酒を選ぶべきなのでしょうか?私は違うと思います。このあたりの話は、別にまとめました。
私は、度数を考えるよりも飲み方を考えたほうが良いと思っています。ただし、飲み方については大きく意見が分かれるところです。
もしかすると、きのこvsたけのこ、こしあんvsつぶあん、居飛車vs振り飛車のような激しい議論になるかもしれません。そこで、いくつか前提条件を挙げていきたいと思います。
まずは前提から
私自身は、ストレートで飲むことがほとんどです。たまに加水して変化を楽しむこともありますが、バランスを崩してしまうことが多いので、基本的にはストレートで飲みたいと思っています。
ただし、他人の飲み方に口を挟もうとは思いません。超えちゃいけない一線も存在するとは思いますが、特に加水については、その方が美味しいと思うならそれでOKだと思います。
最後に、ウイスキーを食中に飲むことにも反対しません。もちろんワインと同様にマリアージュがあるはずなので「蕎麦をラフロイグにひたして食べる」みたいな話には大いに反対しますが、「焼いた岩ガキにラフロイグを垂らして食べる」みたいな話には大いに賛成です。
長くなりました。結局のところ、飲む人も周りの人も幸せな気持ちになれることが大切と思います。
それでは、飲み方についてです。お題として、サントリーの黒角を使います。
サントリー黒角とは?
黒角はブレンデッドウイスキーで、山崎のモルトとヘビータイプグレーンを混ぜています。公式いわく「濃く、モルティでクリーミーな味わいが特徴」とのことですが、印象深いのは白角や黄角と比べて賛否が大きく分かれたことです。
賛否が分かれた理由は、やはりアルコール感になるんじゃないかと思います。通常の角瓶が40%なのに対して黒角は43%と高めです。度数の高さによるアルコール感が、賛否を分けたと思うんです。
それでは、なぜ黒角なのか?
黒角をストレートで飲んだときに、公式の「濃く、モルティでクリーミーな味わいが特徴」という部分は確かになるほどと思ました。
その一方で、かなりアルコール感がありました。加えて、味わいの移り変わりがやや単調であること、余韻は干草のような感じが強いことから、苦手な人はとことん苦手だと感じました。長熟のウイスキーだと、もっとマイルドで複雑な味わいです。
そこで、このウイスキーを多くの人が美味しく飲むには、どうすれば良いのか。まさに、この項目のテーマそのものだと思いました。
オンザロックでは
まず、氷を入れてロックで飲むことにしました。氷を入れてウイスキーの温度を下げるとアルコールの刺激も和らぎます。
ロックグラスに市販の氷とウイスキー30ml入れ、軽くステアしました。グラスを鼻に近づけたときは、かなりアルコールのにおいが軽減されました。
また、ストレートよりも穀物の風味を感じ、飲みやすくなっていました。ただ、後半は氷からの加水量が多くなり、ウイスキー風味の水になってしまいました。
角瓶のボトルを冷やしておくと、じっくり楽しめたかな?と思いました。
趣向を変えてカクテル(ゴッドファーザー)で
アマレットを使ってゴッドファーザーにしました。レシピはサントリーのwebサイトにある「ウイスキー3:アマレット1」です。ちなみにサントリーのオススメベースウイスキーはバランタインです。
ゴッドファーザーの国際レシピは「ウイスキー 7/10、 アマレット 3/10」だそうなので、今回は若干ウイスキーが多めになりました。それでもかなり甘口でした。食後酒向きですね。梅酒ロックが飲める方なら、十分おいしく飲めると思います。
ハイボールでは
作り方はサントリーさんが言うとおりに「1.レモンちょいしぼ。2.氷を山盛りに。3.角1:(強炭酸)ソーダ4。4.マドラーそーっとひと回し。」です。
ハイボールが一番ごくごく飲めました。飲む前も飲んだ時も、炭酸の刺激とレモンの酸味がアルコール感を完全に制圧しています。逆に言えば、個性を味わうという点では少し物足りないとも言えます。
位置づけとしては、濃い味付けの煮つけや唐揚げを食べて、口の中をサッパリさせたい。そういうときの食中酒に良いですね。
おわりに
私はウイスキーをストレートで楽しみたいと思っています。でも、私は私、あなたはあなたですよね。軽めのお酒が好きな方は、とにかくウイスキーを嫌いにならないように飲んで欲しいなあと思っています。
では、2つ目の苦手要素「ピート」に移ります。