ウイスキー用語の備忘録 樽~
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自分の備忘録も兼ねたものです。気力と体力があるときに、随時更新していきます。趣味で書いているので、不十分な点もあります。
【お願い】
用語については書籍等で調べつつまとめていますが、私は専門家ではありません。そのため、活用される際は、必ずご自分で意味等をご確認ください。
参考書籍やWebサイトも挙げているので、そちらをご参照ください。宜しくお願い致します。
<タ~>
樽
円筒形の容器です。お酒や油といった液体から、塩や砂糖、穀物や魚など、あらゆるものに用いられてきました。
ウイスキーの製造では熟成させる工程で「洋樽」が用いられます。
なお、日本では、箱型の「指樽(さしだる)」や、指樽の後に使われるようになった円筒型の「結樽(ゆいだる)」などが存在しています。
樽(ウイスキー原酒熟成用)
ウイスキーを熟成させる際に、新品の樽を使うか、それとも前に何か入っていた樽を再利用するかは、生産国の法律や生産者の考えによって異なります。
ここでは、再利用される樽のうち代表的なものを挙げます。
- バーボン
- 赤ワイン(イタリアのピエモンテ州やフランスのボルドー地域など)
- 白ワイン(フランスのソーテルヌ地域やハンガリーのトカイ地区など)
- シェリー(オロロソ、モスカテル、PXなど)
- マディラワイン
- マルサラワイン
- ラム(ジャマイカ産やデメララ産など)
なお、スコッチの樽規定についてはスコッチウイスキー協会(SWA)が規定を変更する動きが出ました。詳しくは下記ページの「熟成させる樽」をご覧ください。
樽の材料
ここでは「木樽」の材料について書きます。ウイスキー原酒を熟成させる際に様々な樽材を使う試みが続けられているものの、オーク材が不動の地位を保っています。英語の「oak」はヨーロッパナラ(英名:Common Oak、English Oak 学名:Quercus Robur)」を指します。
ウイスキーの熟成に用いられるオークは、以下の4つが知られています。
- Quercus Alba(ホワイトオーク、アメリカンオーク)
- Quercus Petraea(セシルオーク、フユナラ)
- Quercus Robur(スパニッシュオーク、コモンオーク、ヨーロッパオーク)
- Quercus crispula または Quercus mongolica v.grosseserrats Rehd. et Wils. (ジャパニーズオーク、ミズナラ)
Quercus robur - Leaf (C) Bob Harvey :: Geograph Britain and Ireland
樽のサイズ
かなり振れ幅が大きい部分もありますが、小さなサイズから並べると、おおよそこんな感じです。
- クォーターカスク(ワインバリックに対して):50リットル前後
- クォーターカスク(シェリーバットに対して):約110~159リットル
- 伝統的なバーボンバレル:約180リットル
- バーボンバレル(ASB:アメリカンスタンダードバレル):約200リットル
- バリック(ワインタイプ):約225リットル
- ピエス(ブルゴーニュで使われる):約228リットル。
- ホグスヘッド:約250リットル
- バリック(コニャックタイプ):約300~350リットル
- シェリーバット:約500リットル(30arroba:1774年にスペインからシェリーが出荷される際に定められた)
- パンチョン:約450~500リットル
- マディラドラム(ポートパイプ):約650リットル
<チ~>
チェイサー
強い酒をストレートで飲んだあとに飲むものです。その多くは、味覚をリセットしたり体への負担を軽減させたり、喉を潤すことが目的となります。
一般的には水が飲まれますが、ソーダ水やジンジャーエール、ジュースなどを飲む人もいます。なかにはビールなどのアルコール飲料をチェイサーとして飲む人もいますが、個人的にはオススメしません。
チャコールメローイング
テネシーウイスキーを製造する際に行う方法です。サトウカエデの木を焼いて炭を作り、粉砕して大きな樽(ジャックダニエルの場合は深さ3メートルほど)に入れます。のこの巨大な木炭層で蒸溜後の原酒を濾過させる方法です。
チャコールメローイングにより、スムースな飲み口になると言われています。
チロース
植物は根から吸い上げた水分や養分を「道管」を通して茎や葉に運んでいます。この道管内部に「チロース」という物質が発達することがあります。チロースが発達した木材で樽を造ると、原酒成分が蒸発しにくくなります。
ホワイトオークが樽材に用いられている理由は、チロースが発達しやすいためという要素もあります。
<ツ~>
【漬け込みウイスキー】
ウイスキーに果物などを漬け込むことで、フレーバーを加味したお酒を造ることができます。
ただし、個人が漬け込み酒をつくる場合、以下の点を順守する必要があります。
- 消費者が、自ら消費するためにつくるものに限られます。販売はダメです。(酒税法43条11項)
- 「自ら消費するため」とありますが、同居の親族が飲むのはOKです。(酒税法の法令解釈通達)
- 漬け込み酒を造る場合は、アルコール度数が20度以上で、課税済みのお酒を使用する必要があります。(酒税法施行令第50条14項)
- 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、でんぷん又はこれらのこうじの使用はダメです。(酒税法施行規則第13条3項1号)
- ぶどう、やまぶどうは、果実酒を原料に使うのはダメです。(酒税法施行規則第13条3項2号)
詳しくは国税庁のサイトをご覧ください。
elaws.e-gov.go.jp
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