タムナヴーリン29年 スティルマンズドラム
Tamnavulin
Stillman's Dram
熟成年数表記:29年
アルコール度数:45%
地域:スペイサイド
【香り】
真っ先に気が付くのは煮詰めたリンゴのような甘い香り。その次に黒糖を思わせる香り。時間が経つと藁やアニス、白い花といった香りも出てくる。
【味わい】
香ばしさが広がる。控えめなタンニン。口の中で転がすとキビ糖のような深みのある甘さ。
時間が経つにつれて渋みが出てきて味わいを引き締める。好みかもしれないが、待った方が味わいのバランスが良くなると感じた。
余韻は少し短めに感じるが、アメのような濃い甘さ、レモンを思わせる淡い酸味、乾いた藁、軽い燻香などバランスよく収束していく。
【もう少し詳しく】
変化の振れ幅が大きく、ブラインドテイスティングで出された際に、パッと飲んだら過小評価してしまうかもしれません。例えば熟成年数なんかは20年前後と答えてしまうかも。
しかし、じっくり時間をかけると多彩に変化してくれます。この辺りは長熟の楽しさですね。
スティルマンズドラムのタムナヴーリンは27年も飲んだことがありますが、このときも「なにこれ好き」と思いました。
タムナヴーリン蒸溜所の操業開始は1966年です。決して老舗とは言えませんが、なかなか波乱万丈な蒸溜所で、1995年には操業停止になっています。
その後は所有者の変遷を経て2007年に操業を再開し、今日に至ります。続きはWebで!
ちなみに中国語には対応していますが日本語は対応していません。残念。
ただ、てっきり簡体字なのかな?と思ったら繁体字なのですね。エンペラドールと何か関係があるのかな?と推測しましたが、ちょっと分かりかねました。
【TAMNAVULINの意味って?】
Webで検索すると「Tamnavulinは『丘の上の水車』って意味です」とあちらこちらで見かけます。
私も「ほー、そーなのか」と思って……「あれ?」と思いました。丘の上に水車を作って回せるんですかね?
ヴェルサイユ宮殿みたいな科学技術を駆使した可能性もあるし、何より蒸溜所の操業が1966年ですから「できらぁ!」と言えなくもないですが。
調べるとTAMNAVULINはゲール語の「Tom Mhuilinn」に行き当たり、「Tom」は丘で確定であるものの、「Mhulinn」の部分が「水車」と訳せると同時に「粉挽き小屋」とも訳せるそうです。*1
やはり水車小屋よりも粉挽き小屋の方がピンと来るんですよね。
というわけで、「TAMNAVULIN=丘の上の粉挽き小屋」説に1票を投じます。*2
【終わりに】
年度が替わり、部署の代表みたいな扱いになり、気が付いたら5月になっていました。やっと1つエントリを書けて嬉しいです。
今回紹介したタムナヴーリン蒸溜所は、すっごく地味です。でも美味しいですよ。バーで見かけたら、是非お試しください!
最近は日差しが柔らかく新緑豊かな良い季節ですね。猫も日向ぼっこを楽しんでいます。
【参考にしたWebサイトや図書など】
Scotland Distillery Names & Pronunciations | WhiskyCast
太陽王のベルサイユ 幻の宮殿を再発見 後編 | BS世界のドキュメンタリー | NHK BS1
『世界と日本のウイスキー・カタログ』著:K-Writer's Club、出版:西東社