琥珀色の研究 -A Study in Amber-

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ウイスキー用語の備忘録 加水~コーンウイスキー

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自分の備忘録も兼ねたものです。気力と体力があるときに、随時更新していきます。趣味で書いているので、不十分な点もあります。

【お願い】

用語については書籍等で調べつつまとめていますが、私は専門家ではありません。そのため、活用される際は、必ずご自分で意味等をご確認ください。

参考書籍やWebサイトも挙げているので、そちらをご参照ください。宜しくお願い致します。

<カ~>

加水

ウイスキーを出荷するときに、加水してアルコール度数を調整することがあります。度数は様々ですが、代表的な度数を挙げます。

  • 40%:EU規格
  • 43%:昔の標準強度(75英国プルーフ
  • 46%:ノンチルフィルタードに関連した度数

ウイスキーを評価する際に、様々な角度から検討して楽しむため、加水してチェックすることがあります。

また、ウイスキーを楽しむときにも、アルコール度数が強くて飲めない場合は加水することがあります。

いずれにせよ、加水しすぎるとバランスが崩れるので、スポイト等で数滴ずつ加水すると楽しめます。

カスクストレングス

ウイスキーを出荷する際に加水せずに瓶づめしたものです。ウイスキーの味わいをしっかり楽しめる反面、体調によっては飲み疲れてしまうこともあります。

アメリカンウイスキーでは「バレルプルーフ」や「バレルストレングス」という表現をよく見かけます。

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カフェスチル

珈琲豆を焙煎する機械……ではなく、1830年にイーニアス=コフィーが改良した二塔式の連続式蒸留器のことです。コフィーが特許を取得したため、「パテント(特許)スチル」とも呼ばれます。

連続式蒸留器そのものは1826年にロバート・スタインによって開発されたものですが、コフィーが改良を加えた結果、よりアルコール度数の高い原酒を大量に生産できるようになりました。

モルトウイスキーは、単式蒸留器(ポットスチル)で製造することが定義に含まれているので、カフェスチルで造られたウイスキーは「グレーンウイスキー」となります。

日本ではニッカ仙台工場にあるものが有名で、「カフェモルト」と「カフェグレーン」がリリースされていましたが、残念ながら2019年に終売となりました。

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カナディアンウイスキー

法定義は「穀物を原料に、公募によって発行を行い、カナダで蒸溜し、700リットル以下の樽で最低3年間は貯蔵したもの 」です。瓶詰めする際に、カラメルや香味を添加することが許されています。

アメリカの禁酒法時代に、あらゆる手段を用いてアメリカに運び込まれました。例えば、1920年代当時はデトロイト川が凍結したため、そこを走ってカナディアンクラブを買う人もいたのだとか。

<キ~>

キルン

製麦の過程で、大麦麦芽(グリーンモルト)を乾燥させるための施設です。熱源としてピートを用いることで、ウイスキーに独特のフレーバーがつきます。

ただ、最近は製麦を大手の麦芽製造会社(モルトスター)に委託することが多いため、キルンはシンボルのような存在になりつつあります。

なお、現在みられる多くのキルンは「ドイグベンチレーター(Doig's Ventilator)」と呼ばれ「パゴダ(仏塔)」のような建物ですが、その基となったのはチャールズ=ドイグの設計によるものです。ドイグはダルユーインやストラスアイラなど、数多くの蒸溜所のキルンを設計しました。

禁酒法

ウイスキーで「禁酒法」と言えば、アメリカ合衆国の「ボルステッド法」が有名です。1920年1月17日から発効し消費のためのアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止されました。

もちろん守られるはずもなく、密造酒や密売ビジネスでギャングが跋扈し、酒に浸る人の数も増えてしまうという悲惨な結果となり、1933年12月5日を以て廃止されました。

禁酒法の余波

禁酒法アメリカ以外にも影響が及び、この時代はカナディアンウイスキーが躍進し、アイリッシュウイスキーがとばっちりを受けました。また、スコットランドでもキャンベルタウンなどで倒産が相次ぐなどの影響を受けました。

なお、13年にのぼる禁酒法の時代は「高貴な実験(The Noble Experiment)」とも揶揄されています。ただ、アルコール依存症については脳の仕組みに関する「病気」であるとされているので、困ったときは専門機関へ相談を。

<ク~>

クーパー

洋樽を作る職人のことです。樽だけでなく、発酵槽などの製造や修理にも関わっています。樽を持ち上げたり火を扱ったりすることから強靭な肉体が求められるため男性向きの仕事ですが、2019年にはディアジオ社が女性をクーパー見習いに採用しています。

Diageo recruits the first female coopering apprentices | Features | Diageo

クーパレッジ

樽を作る工場や作業所のことです。

グレーン

グレーンは主にイネ科植物(米、麦、トウモロコシ、キビ)の種子や豆類を指し、「穀類」とも表記されます。

家畜やペットの餌にも使われていますが、「ペットフードにグレーンは必要か?」という議論もあります。

グレーンウイスキー

連続式蒸留器で蒸溜することが特徴のウイスキーです。主原料の穀類はトウモロコシや小麦などが挙げられますが、日本の「カフェモルト」のように大麦麦芽100%で作られるものもあります。

ただ、「モルトウイスキー」と名乗る条件にポットスチルで造られる必要があるため、連続式蒸留器を使って作られたウイスキーは「グレーンウイスキー」となります。

ニッカグレーンウイスキー | アサヒビール

味わいはやわらかく飲みやすいことが多く、そのために「サイレントスピリッツ」とも言われますが、飲み比べると個性の違いが感じられます。

グレン〇〇

「グレーン」ではありません。「グレン(Glen)」は、ゲール語で「谷(渓谷)」を表す言葉です。

谷でウイスキーを造る利点は、川から仕込み水を引きやすいことや、険しい土地のため密造にはもってこいであることなどが挙げられます。

有名な場所としてスコットランドのリベット川流域(スペイサイド)が挙げられます。

<ケ~>

ケンタッキー州

アメリカ合衆国の州で、バーボン製造が盛んです。ジョニー=デップやカーネル=サンダースの出身地で、5月の第一土曜日に「ケンタッキーダービー」が開かれます。

ケンタッキーダービー

アメリカ合衆国ケンタッキー州で、例年5月最初の土曜日に行われる競馬です。競馬場は「チャーチルダウンズ競馬場です。

公式ドリンクが「ミントジュレップ」であることも知られており、2019年時点でウッドフォードリザーブがスポンサーに入っています。

Mint Julep | 2020 Kentucky Derby & Oaks | May 1st and 2nd, 2020

ケンタッキーバーボン

バーボンのうちケンタッキー州で造られ、最低1年以上の熟成を経たものは「ケンタッキーバーボン」を名乗ることができます。

熟成が4年未満の場合は、熟成期間を明記する必要があるので「ケンタッキーストレートバーボン」は、多くの場合4年以上熟成させています。

<コ~>

コーンウイスキー

アメリカンウイスキーのひとつで、原料にトウモロコシを80%以上使用し、アルコール度数80%(160proof)以下で蒸溜することが求められるウイスキーです。

原料のコーンはデントコーンが用いられます。

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