琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

ボウモア12年 現行ラベル

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Bowmore
最低熟成年数:12年
容量:350ml
アルコール度数:40%
地域:アイラ島

【香り】

開封直後は、かなり焦げた木のような要素が強く主張した。少し時間が経ってから飲むと焦げたようなニュアンスも感じる一方で、チョコレートのような要素も感じられるようになっていた。ピートも感じられるが、キルホーマンやラフロイグアードベッグと比べると薬品のような香りはかなり軽い。

【味わい】

スモークやヨードなどアイラモルトの要素とともに、蜂蜜や麦芽といったしっかりとした甘さも感じる。ただ、樽由来なのか渋みが心地よく引き締めている。やわらかな酸味も感じる気がするが……レモンっぽい?全体的にバランスよく仕上がっていると思う。

後味は蒸した栗のような香りとともに、ピートが程よく残る。

なお、ロックで飲むと、とても飲みやすいがパンチが弱いので好みは分かれるだろう。

【もう少し詳しく】

現在稼働しているアイラ島の蒸留所で、最古となるボウモア蒸留所。近所の酒屋にグラスセットのハーフボトルが売っていたので、これ幸いと買ってきました。

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久しぶりに飲んだのですが、良いですね。もっとも、昨日のキルホーマンと比べると穏やかです。
「ピートがつーん」「ヨードどかーん」というのを期待すると、ちょっと肩透かしをくらいますね。

では、なぜなのか?

調べると、ラフロイグやポートエレンのピートとは採掘場所が異なるそうです。 「アイラモルト怖そう」という方は、ボウモア12年を試されてはいかがでしょうか。

「そうは言っても、アイラでしょ?怖いなあ」という方は、ショコラと合わせるのはいかがでしょうか。別記事でも紹介しましたが、ビター系との相性は良いです。

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amberlover.hatenablog.jp

サントリーさん公式でも「ボウモアはコーヒーガナッシュと合わせよ」とのことです。というのも、ボウモア12年は結構甘いです。ミルクチョコと合わせても悪くないとは思いますが、素直にコーヒー系やビター系と合わせるのが良さそうですね。

www.suntory.co.jp

さて、話を戻します。外箱の解説を読んで勉強することにします。ボウモアの推しポイントは以下3つのようです。

  1. アイラ島最古の蒸留所ですよー。
  2. フロアモルティングをしているんですよー。
  3. No.1Vaultsがあるんですよー。

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No.1 ヴォルツ(第1熟成庫)は、「ブラックボウモア」や「バイセンテナリー」など、数々の伝説のボトルを生み出してきた場所です。

操業時に立てられたスコッチ最古のウェアハウスだそうで、満潮時には海面下1メートルに沈むと言われていて、壁の厚さも1メートル以上なのだとか。*1すごいですねえ。

確かに写真で見ると、すぐ近くが海ですね。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3a/Morrison_Bowmore%2C_Islay.jpg

 *2

ただ「潮」が感じられるかというと……残念ながら私には特に感じられませんでした……。うーん。

 ちなみに、ロックグラスがついてきたので、オンザロックも試しました。うん、スムースで飲みやすいですね。これならアイラモルトが苦手な方でもガンガン飲めるのでは……でも、アイラモルトじゃなくても良い気もして少し複雑な気分です。

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おまけのロックグラスは東洋佐々木ガラス株式会社さんの製品とのことです。良い感じの曲線がかわいらしいデザインです。

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さて、ボウモア12年のスタンダードって特に苦も無くスーパーや酒屋で手に入りますよね。そのためなのか、ボウモアはスタンダードより限定品とかオールドボトル、ボトラーズに注目が集まりやすいという印象を持っています。

でも、オフィシャル12年いいですね。ハーフボトルが出ているのもありがたいです。

「ボウモア12年」350ml 新発売 2017年10月31日 ニュースリリース サントリー

軽めのアイラが飲みたいときに、するっと飲むのはいかがでしょうか。

押し寄せるノンエイジ化の波にボウモアが呑まれないことを願うばかりです。

*1:Whisky Galore 2017 Vol.02 P33

*2:Author:Mick Garatt