マッカラン トリプルカスク 12年
THE MACALLAN
TRIPLE CASK 12年
アルコール度数:40%
容量:700ml
最低熟成年数:12年
地域:スペイサイド
種別:シングルモルト
【感想】
序盤は木の香りや溶剤を思わせる要素が鼻につく。落ち着いてくると、こってりとした甘さを感じる香り。更に時間経過でシトラス、白い花、ミント。ややヒリヒリした印象。
その後は黒蜜。パイナップル。余韻はあまり長くはない。スパイシーな要素を感じさせつつ、すっと収束していく。
ウイスキーを飲み慣れていない方でも、ストレートで飲めるだろう。今回はストレートのみだったが、暑い時期であれば、ハイボールで飲んでも良いのではないか。
【もう少し詳しく】
マッカラントリプルカスクは5月21日(火)から販売が開始されました。ただ、「トリプルカスク」を見たとき、「あれ、ファインオーク12年にも『トリプルカスク』って書いてあったじゃん」と思いました。
見直すと、やっぱり書いてありました。
調べたところ、どうやらファインオークの後継品という位置づけのようです。
樽構成も表記上は同じでした。
この辺りのことはファインオーク12年を書いた際にまとめたので、そっちへのリンクを貼っておきます。
トリプルカスクの公式テイスティングコメントは「バニラやレモンを感じる香味、長く続くスパイシーな余韻が特長」で、これはファインオーク12年のコメントと、ほぼ同じです。
ただ、実際に飲んでみると、ちょっと違う発見もありました。特徴的だと思ったのは、中盤の黒蜜感です。これは独特でした。
一人で「あ、すっごい黒蜜。なにこの黒蜜感」と盛り上がっていました。ファインオークは、こういう感じはわかりませんでした。
今回のトリプルカスクは、前情報無しに飲んで「これハイボールを想定しているかな」と思ったのですが、ファインオークの後継だとすれば納得です。
難点は価格です。トリプルカスクの定価が7560円。ファインオークの定価が5400円なので、グッと値上がりしています。気軽に飲める金額でも無いのが悩ましいですね。
【イースターエルキーハウスについて】
マッカランをGoogleMAPで調べたことがなかったので、見てみました。ストリートビューは2016年の写真が見られて、こんな感じです。この建物は「イースターエルキーハウス」ですね。
1700年に建てられたそうですが、所有権が移ったりボロボロになっていたりと、なかなか波乱万丈な歴史をたどっています。
マッカランさんにとって、企業精神を体現した建物でもあるそうです。細かなことは、こちらを読まれることをオススメします。
イースターエルキーハウスはプロジェクションマッピングでも使われており、マッカランさんが前面に押し出していることがわかります。
動画へのリンクを貼っておきます。
【マッカランさんの事業拡張について】
現在、世界各地で新規蒸溜所が建てられたり、既存蒸溜所の拡張が進められています。
マッカランさんも拡張計画を進めており、2018年には新しい蒸溜所も完成しました。総工費は約200億円(1億4千万ポンド)。計画から6年、着工から3年半の道のりだったとのことです。
工事風景の動画をScotchWhisky.comさんが公開されているので、リンクを貼らせていただきます。
こうした蒸溜所の新築・拡張ラッシュの背景には、原酒不足も理由の一つでしょうが、やはり「乗るしかない、このビッグウェーブに」という世界的な流れもあるでしょう。
各社、色々な樽を試したりフェスで売り込んだりしていますね。サントリーさんも、モンティージャワイン樽とか色々と試されています。
幸い、勢いはともかくウイスキーブームは続いています。ただ、コアなウイスキー愛好家は決して多くないと感じます。愛猫家の方が間違いなく多いですよね。
ここ数年で仕込まれたウイスキーが出てくる頃、どれほどの蒸溜所が生き残れるのか?不安は残りますが、ひとまず様子を見守ろうと思います。
【最後に】
マッカランと言えば、少し前に1824シリーズ*1やクエスト・コレクション*2をリリースしました。
このように特定のコンセプトを持たせたシリーズは、今に始まったことではありません。例えば、ディケイドシリーズも出したりしていました。
ディケイドシリーズは仮面ライダーとコラボ……ではなくて、1920年代、1930年代、1940年代、1950年代と、それぞれの時代のマッカランを再現したというものでした。*3
1824シリーズやクエスト・コレクションも好評な部分もあったようですが、コンセプトが理解されにくかったようです。
おかげで「色別とかポケモンかな?」とか「ルミーナって何やねん」とか、批判的な内容を多く目にしました。
もっとも、私自身はマッカランの経験値は多くありません。せいぜい数種類なので、偉そうなことは何も言えません。
ただ、何せファンが多いので期待も高まるのでしょう。マッカランのマネージングディレクターは、トリプルカスクのリリースについて
「NASだった1824シリーズも自信があったけれど、やっぱりコア製品のリリースが目標です」
という感じのコメントをされていました。
今後は、年数表記したシリーズにも力を入れていくことになりそうですね。
また、中国市場やインド市場にも力を入れていく方針だそうで、最近は中国語のページも充実させてきていますね。
先日も、ドバイ国際空港のマッカランブティックに関するツイートが流れてきたのでWebサイトに飛んでみたところ、韓国語や中国語があっても日本語はありませんでした。
韓国語と日本語は文法も似ているし、ぜひ日本語の紹介文も欲しいところです。そんなことを思いつつ、本日はこのあたりで失礼させていただきます。
猫はテンションが上がるとヒゲが前に出てくるんですね。飼い始めてから知りました。
【参考にしたWebサイト】
マッカランの新しい蒸溜所が完成【前半/全2回】 | WHISKY Magazine Japan
マッカランの新しい蒸溜所が完成【後半/全2回】 | WHISKY Magazine Japan
「ザ・マッカラン トリプルカスク12年」数量限定新発売 2019年3月12日 ニュースリリース サントリー
ウイスキーの樽はどのような木で作るのですか? サントリーお客様センター
サントリースピリッツ、シングルモルトウイスキー「ザ・マッカラン トリプルカスク12年」を数量限定発売 :日本経済新聞
Easter Elchies House - Picture of The Macallan, Easter Elchies - TripAdvisor