琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

【とりあえず】マッカラン10年 カスクストレングス

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Macallan 10 YEARS OLD
CASK STRENGTH
アルコール度数:58.8%
容量:1000ml

地域:スペイサイド(中下流域)
@Bar AMBER

【感想】

抜栓直後ということもあり非常に硬く、グラスに注いだ直後はゴムや革を思わせる香りが目立つ。口に含むと度数の高さも相まって、収斂性とアルコール感が勝る。

時間をかけながら、また、少量加水していくことで、レーズンのような凝縮された甘み、カカオやナッツのような香ばしさ、オレンジを思わせる酸味などが感じられるようになる。

年数表記は「10年」だが、表記以上の熟成感がある。今後、より様々な味わいを楽しめるようになるだろう。

【もう少し詳しく】

マッカラン10年カスクストレングス。2000年ごろに出回っていたそうで、酒屋さんで私が見かけたことはありませんでした。免税店限定という話も聞きました。

ちなみに1997年発行の本では、こんな感じのラインナップでした。希望小売価格とは言え、なかなか良いお値段です。

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さて、マスターから「まずはストレートでゆっくりお召し上がりください。後半は加水なさると、より一層風味をお楽しみいただけますよ」と御提案いただいたので、それに従って、のんびり飲みました。

とはいえ、そのままだとお店に申し訳ないので、カルヴァドスなどいただきました。

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カルヴァドスを飲みながらマッカラン10年のラベルを眺めていると、「JEREZ」と明記されていることに気がつきました。

EXCLUSIVELY MATURED IN SELECTED SHERRY OAK CASKS FROM JEREZ

JEREZはスペインの自治体「ヘレス・デ・ラ・フロンテラ」で、シェリーの生産地*1でもあります。

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次は裏ラベル。「シェリー樽が高くなってるから他の蒸溜所は切り替えてるけど、ウチは頑張ってます」や「毎年ヘレスで樽を選んでます」ということも書かれています。シェリー樽へのこだわりを感じさせます。*2

あと何と言っても「MYSTERY」が目を引きます。いいですね、MYSTERY。心躍ります。

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訳は「その道理は科学でさえも解明できていませんが、ウイスキーは常にシェリーを詰められたオーク樽で熟成されてきました」って感じでしょうか。ウイスキーの歴史は密造の歴史ですし、偶然が生み出したことも多々ありました。

ただ、「人間の発明したものなら、人間に解けないはずはありません*3」 し、偶然についても研究が進んできました。

評価はともかく面白いなあと思ったのは、レイクス蒸留所の記事です。

whiskymag.jp

「疑似的なランシオ香を生み出すようなアプローチは、どこか旧世界のウイスキーにも似た影響をウイスキーに及ぼしてくれます。

こういった類の話は私としては微妙だった経験が多く、「そんなにうまくいくんやろか?」と思っています。ただ、試みそのものは興味深いし注目する価値はあります。レイクスは少し前にオレンジワインカスクフィニッシュも出すなど面白い部分もありますね。

モーレンジの樽に関する試みも今では代名詞みたいになってますし、今後どうなるかわかりません。

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マッカランに話を戻します。

マッカランについて「やっぱり〇〇年代だね、△△年代はダメだよ」みたいな話を耳にしたことがあります。確かに昔のマッカランは美味しいです。マッカランの経験が浅い私でも、そう思います。

ただ、最近のバーボン樽熟成マッカランも私は好きです。ファインオークの登場には衝撃を受けましたが、あれはあれで大事なことだったんだろうな、と今では思います。土屋さんもバーボン樽試してましたし。

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前回のカリラ25年でのアンピーテッドと同様に、映画でも漫画でも飲食物でも自分がええと思うものを楽しんだらよろしやん、とも思います。

ところで、好きと言えば『アルスラーン戦記』の14巻が発売されました。相変わらず人がバタバタ死にます。それは分かってはいるものの、たとえ敵でも気の良いおっちゃんが死んでいくのは寂しいですね。*4

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kc.kodansha.co.jp

他には『薬屋のひとりごと』の7巻が発売されました。少女漫画要素が強いのですが、ミステリ要素もあるので気に入っています。構成の七緒一綺さんにも注目しているし、是非ともアニメ化して欲しいなーと思っています。

【その他、ちょっと思ったことなど】

「マッサン」効果により、ウイスキーを楽しむ層は増えました。特にカジュアルにソーダ割を楽しむ人を見かけますね。そのためか、スーパーマーケットに行くとメジャーブランドの大型ボトルを見かけるようになりました。

例えばホワイトホース。2700mlや4000mlのラインナップがリリースされて、ちょっとびっくりしました。

www.kirin.co.jp

その一方で、シングルモルト等をストレートで楽しむ層が増えたのかと考えると……たぶん増えたと思う。増えたんじゃないかな。ま、ちょっとは増えたのでしょう。

もし、そういう方々がこのブログを読んでくださっていたら、特にカスクストレングスの蒸留酒を飲む際は、ゆっくり待ったり少量加水を試したりして欲しいです。

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【感想】にも書きましたが、第一印象は硬さが目立ちました。ゴムやら革やら、すぐに飲むと本来の美味しさを味わえないでしょう。

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  _、_  時間なんざいらねぇ…
( ,_ノ` ) 酒本来の味が損なわれちまう…
     
    [ ̄]'E

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なんてことはありません。はい。

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ですから今回のように、お店の方が「時間が経つと味が変わりますよ、じっくり楽しんでくださいね」とか「少しずつお水を入れると、味が変わりますよ」といった感じに、楽しみ方をサラリと教えてくださると嬉しいです。

【最後に】

「とりあえず」と書いたのは、今後どんどん味わいが変わり、美味しくなるなあと思ったからです。今後も何度かいただくつもりです。

全部まとめて書けよって話かもしれませんが、時間の経過で楽しめたことやカスクストレングスの楽しさも書きたくなった次第です。ご容赦ください。

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コロナウイルスの第3派が到来して、何とも困った事態が続いています。金銭的にも時間的にも、そして感染の拡大的な意味でも、なかなかバーには行けません。

でも、飲むことも書くことも読むことも可能な限り「ツゴウヨケレバヤレ。ワルクテモヤレ。」 *5の精神で楽しみたいと思いつつ、本日はこの辺りで失礼させていただきます。

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めっきり冷え込んできたのでヒーターを出しました。3匹が代わるがわる堪能しています。おかげで帰宅しても迎えに来てくれなくなりました。ちょびっと寂しいです。

【参考にした書籍およびWebサイト】
  1. 『世界と日本のウイスキー・カタログ』編著:K-Writer's Club 出版:西東社
  2. 『analog』 vol.48 出版:音元出版 P111
  3. シェリー樽で熟成、高貴なフルボディーに育つグレンドロナック目白田中屋店主に聞くシングルモルト 第4回:アエラスタイルマガジン
  4. シェリー樽の長い旅【第4回】 | WHISKY Magazine Japan
  5. 原産地呼称統制委員会 | Sherry Wines

  6. 稲富博士のスコッチノート 第111章 ボーダー・リーヴァーズ その(4)ザ・レイクス蒸溜所

  7. The One Blended Whisky Collection | The Lakes Distillery

  8. ヘレスデラフロンテラ観光ガイド|渡航情報・観光名所・レストラン・ショップ情報【JTB】

*1:厳密な生産地域は原産地呼称「ヘレス=ケレス=シェリー」および「マンサニーリャ=サンルーカル・デ・バラメダ」(DO Jerez-Xérès-Sherry and Manzanilla-Sanlúcar de Barrameda)となります。

*2:スペインがECに加入する前のラベルも見てみたいですね。

*3:ホームズのセリフ「What one man can invent another can discover」です。有名ですね。出典は『踊る人形(The Adventure of the Dancing Men)』です。「躍る人形」は「オレンジの種5つ」と並び短編集のなかでもミステリ要素が強く、私のオススメです。

*4:言っても仕方がないのですが、小説最終巻のアレはねえ。田中先生の退場劇は慣れていますがねえ、うーん……。

*5:これも世に広まってほしいホームズのセリフ「ツゴウヨケレバスグコイ ワルクテモコイ S.H.(Come at once if convenient- if inconvenient come all the same. S.H.)が元ネタで、彼の性格を表しています。「這う男」に出てきます。