カリラ25年 カスクストレングス(修正済み)
CAOL ILA
AGED 25 YEARS
アルコール度数:59.4%
地域:アイラ島
@Bar AMBER(&テイクアウト)
【香り】
度数の強さを感じさせるものの、酸味と甘味の調和がとれた柔らかく心地よい香り。最初はバニラのような甘みが強いが、時間が経つと青リンゴのような溌剌とした果実香が強くなる。やや潮っぽさを感じさせるピート香。強く吸い込むと鋭利で金属的な印象も受ける。
時間が経つと麦感や煙感が出てくると同時に、クリーミーな印象も受けた。
【味わい】
アタックは強め。柔らかな酸味としっかりとした甘み、濃厚なダシのうま味と心地よい渋み。
ピートはしっかりと強め。鼻孔に残るピート香は焦げを少し感じる。そのためか、後味は乾いた印象を受ける。余韻は長めでピートが残る。
全体的に濃厚でパワフルな印象。塩気も感じる。時間経過による変化を楽しめた。少量加水で麦感が広がったので、体調次第では加水すると良いだろう。
【もう少し詳しく】
「カリラ25年ありますか?」と尋ねたところ、「こちらでよろしいですか?」と出てきたのが今回のカリラ25年です。黒ラベル25年が出てくると思いこんでいたので、完全にテンションが上がってしまいました。
ラベルはシンプルかつレトロ。最近よく見かける漫画やアーティスティックなラベルも目を楽しませてくれますが、今の私は昔ながらのこういうラベルが落ち着きます。
昔からDBを中心に飲んできたのでオフィシャルの雰囲気は「やっぱり家が一番ね」みたいに落ち着くし、ラベル書かれたに色々な情報を読むのも楽しいものです。
最近でもがんばれば買える25年は黒ラベルです。黒ラベルはアルコール度数が43%に加水されています。こちらも非常に美味しいのですが、線が細く華奢な印象を受けます。
もちろんアルコール度数が高ければ高いほど良いわけではありません。後にも書きますが、あまり高すぎると飲み疲れるものもあります
ただ今回の25年は芳醇で、60%近いアルコール度数を忘れてしまいます。ラベルを隠して飲めば55%弱かな?と捉えてしまいそうです。ゆっくり飲むと味わいが豊かに変化し、幸せな時間を過ごせます。
ちなみにラベル裏には公式コメントが書かれています。
WhiskyGaloreVOL.22を読むとカリラ25年カスクストレングスの発売年は2003年となっています。そして、海外サイトを巡回していくと「ディアジオスペシャルリリース2004」が出てきます。ラインナップは以下の通りのようです。
- オーバン1984
- カリラ25年
- クラガンモア1993年
- グレンオード25年
- タリスカー25年
- ブローラ3rdリリース
- ポートエレン4thリリース
- モートラック1971
- ラガヴーリン12年
- リンリスゴー1973
今回のカリラ25年はコレだろうなあと思います。いずれにせよ白ラベルのカリラ25年は、あまり見かけません。
バーなどプロフェッショナルな方々はお持ちかもしれませんが、個人レベルで買うのは金銭的な面も含めて難しいのではないでしょうか。
カリラ好きの方は、見かけられたら飲まれることをオススメします。
【その他いろいろ】
ウイスキーを飲み始めた頃、アイラモルトといえばアードベッグやラフロイグを好んで飲みました。それに加えて、ここ数年は特にカリラが好きになってきました。安定した美味しさも魅力のひとつです。
カリラはアイラモルトのなかでも最大の生産量です。閉鎖ともロイヤルワラントとも無縁で、薬品臭が強いわけでもありません。なんというか地味です。
DBの12年だって美味しいのですが、あまり人気が無いと言うか話題性に乏しいというか……「カリラ12年?ふーん……」みたいな雰囲気があります。割と残念です。
私が初めてカリラを買ったのはNAのカスクカリラだったと記憶しています。ロット違いを買って、飲み比べを楽しんでいました。1本6000円前後だったかな。
カリラで「懐かしい」と言えば、やはり花と動物シリーズ。ラベルには蒸溜所にちなんだ動植物の絵が描かれています。カリラのラベルにはアザラシが描かれています。
私にとって花動シリーズは慣れ親しんだ味であり、この味で育ってきました。なかでもカスクストレングス版は、いわゆる「推し」ボトルです。
これらについて書く際は親バカというか、良い言葉が並ぶと思います。最近は本当に見かけなくなりました。いつまでもあると思うな推しボトル。
最近はボトラーズブランドを中心に、樽の個性を前面に出した楽しみやすいカリラも色々ありますよね。
今回はGMのエルミタージュフィニッシュをいただきました。45%という度数も相まって、割とまったり飲める感じです。この度数が良い感じで、もう少し度数が高ければ飲み疲れてしまうなあと感じました。
何でもかんでもカスクストレングスが良いというわけではありませんね。当たり前ですが、よく分かる飲み比べでした。楽しい時間を過ごしました。
【最後に】
アイラモルトに求めるものは十人十色だとは思いますが、ピートを含めたクセの強さを求める方のほうが多いでしょう。カリラよりもアードベッグやラフロイグの方が知名度もあるし人気もあることは確かです。
ただ、カリラも試してみてほしいです。
好みは分かれるとは思いますがアンピーテッドも面白いものです。
アンピーテッドは1999年から仕込みが始まり、2006年からリリースが続いています。
ボトルを買わずともバーなどで一杯いかがでしょう。ハーフで試させてもらえれば嬉しいですね。
ウイスキーは嗜好品。好きになったら友人の評価はイマイチでも関係ないよね……と思いつつ、本日はこの辺りで失礼させていただきます。
ピートと言えば、うちのピートくんは最近エリザベスカラーをつけています。薬を塗っても舐めてしまうからなのですが、つけるとしょんぼりしてしまいます。ごめんねと謝りながらつけています。
【参考にした書籍やWebサイト】
Whisky Galore 2020 October VOL.22 P30~P34
Diageo Special Releases: A brief history of collection and releases - whisky-note