マクファイルズ40年 G&M
【香り】
グラスに注いだ直後から芳醇な香りが広がる。最初はドライフルーツのような甘い香りが強いが、時間が経つと熟成感のあるクリーミーな香りが強くなる。グラスに鼻を近づけると木の香りとピートもうっすら感じられ、ほどよいアクセントになる。
【味わい】
レーズン、ビターチョコレートといった甘みと柔らかなスパイス。最後に穏やかなピート。シェリーの甘い香りがしばらく残るものの、徐々にフェードアウトしていく。
40%の度数については賛否両論あると思います。でも、疲れた日にカスクストレングスを飲むのって、ちょっと辛いときがあるんです。歳のせいかもしれません。
その点、40%の度数でわかりやすい美味しさなので、ソファに埋もれてゆっくり飲んだら、最高にリラックスできると思います。
ちなみに、15mlに対して2滴(0.06ml程度?)加水したところ、えぐさが強調されてしまいました。度数も度数ですし、すぐに変化してくれるので加水は不要だと思いました。
なお、「オフィシャルとボトラーズ」でも書きましたが、中身不明のボトルです。ただ、中身はマッカランだと言われています。このあたりは後述します。
GORDON&MACPHAILについて
ゴードン&マクファイルは言わずと知れた老舗ボトラーズですが、もともとは高級デリカテッセンとして創業されました。創業年は1895年。Webサイトにも「120年以上やってますよ」と書かれています。
英語なんて読んでられねぇよという方は、ジャパンインポートシステムさんに詳しく書かれています。
ゴードン&マクファイルは膨大な量の樽を抱えており、販売しているラインナップも「蒸留所ラベル」「コニサーズチョイス」「レアビンテージ」「プライベートコレクション」など、多彩です。
特に、私のような30代後半以上の世代は「コニサーズチョイス」にお世話になった方も多いのではないでしょうか。今となっては随分と値上がりしてしまいましたが、2000年代は現在では考えられないような価格で買えたものです。
また、ゴードン&マクファイルは1993年にベンロマックを買収し、蒸留所の所有者にもなっています。……などと物知り顔で書いていますが、私も数年前に知りました。もともと蒸留所を深く知ろうとせずに飲んでいたので、バーで「ベンロマック?聞いたことないですねえ」という爆弾発言をしたことがあります。
でも、バーテンダーの方は「ああ、ベンロマックってそこまで有名じゃないですもんね」と丁寧に教えてくださいました。いつも穏やかに対応してくださってありがたく、見習うことにしています。
MACPHAIL’Sシリーズについて
さて、中身がわからなければ知りたくなるのが人間の性で、先人たちの情報収集によって、マッカランだろうという意見が多勢です。
ちなみにMACPHAIL’Sシリーズは他にもいくつか出ています。トールボトルが多いと思いますが、スクエアボトルの15年も発売されていました。このボトルについては、あらためて書こうと思います。
マクファイルズ40年の価格は、今となっては8万円オーバーですが、私がウイスキーを飲み始めたころは1万円台で購入できました。それでも当時の私は「高いなあ、どうしようかなあ」なんてかなり迷ったわけで、今となっては、そりゃ閉鎖蒸留所も増えるよなという話です。
2017年に一部で販売中止になった「カール」が話題になりました。理由は収益が低迷したからとのことです。自分が好きなものは買わないと無くなっていくから、推し蒸留所があれば買うのは大切なことなのでしょうね。