琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

ローズバンク 10年 マキロップチョイス(終売品)

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ROSEBANK
Mackillop's Choice Single Cask
Cask Strength
アルコール度数:58.8 %
熟成年数:10年(1989年4月~1999年5月)
容量:700ml
地域:ローランド
種別:シングルモルト

【香り】

最初はソルティでビスケットのような香りも感じたが、時間が経つと薄らいでいった。その後は少々青っぽい香りが強くなり、ライムのような要素も感じた。

強く吸い込むと乾いた青草のように、ドライな印象を受けた。また、やや若さも感じた。

香りは変化していくものの、その幅は大きくないように感じた。ただ、抜栓直後なので、今後も確認する必要があるだろう。

【味】

アタックは度数相応の強さ。口に含んだ瞬間は寒冷地の辛口白ワインのようにキリっとした印象を受けた。その後、時間が経つにつれて、じんわりと甘さが広がった。印象としては、リンゴの蜜のような濃密な甘さ。ただ、その後は再びスッキリとした印象を受けた。

余韻は中程度で、清涼感もあるものの、やや甘みが優った。

今回は行わなかったが、次回は少量加水を試したい。 時間をかけて飲んだ方が良さそうなので、定期的に飲んでいきたい。

【留意点】

【香り】で書いた通り、今回は抜栓直後です。後日あらためて飲んで変化について書こうと思います。

【もう少し詳しく】

ローズバンクは、かつてローランドに存在していた蒸溜所です。今はもう稼働していません。GoogleMAPでも「The Lost Rosebank distillery」と表示されます。

そんなわけで、ときどき長熟ものがリリースされるものの「だんだん飲めなくなっていくんだろうねえ」と言われてきました。

ところが、です。

昨年2017年に、イアン・マクロードさんがディアジオさんから商標権と残っている原酒を買い取って「ローズバンク復活させるよ!」と宣言して、世間をあっと言わせました。これ、本当にびっくりしました。

www.ianmacleod.com

「お前も英語ろくに読めないのに、英語サイトなんて貼るなよ!」と怒られそうなので、WHISKY Magazineさんの日本語記事を貼っておきます。こちらも合わせて読まれると分かりやすいでしょう。

whiskymag.jp

ちなみに、私も最近知ったのですが、Webサイトも立ち上がっていました。ただ、やっぱりこっちも英語です。トップページのキャプチャにリンクを貼っておきますね。

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で、頑張って「ようこそ ろーずばんくじょうりゅうしょへ……」とか読んでいたら「Gallery」があることに気がつきました。写真や動画が紹介されているので、こっちを見た方が分かりやすかったです。

 こちらもキャプチャにリンクを貼っておきます。是非ご覧ください。オススメですよ。

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さて、そんなローズバンク。今回はマキロップチョイスのボトルです。マキロップチョイスは、今までコンヴァルモアとかモストウィーとかをまとめてきました。

「マキロップかよ……」と仰る方もいらっしゃるかもしれません。というのも、McCはシングルカスクということもあってか、当たり外れがあるという評判が立っているようです。

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amberlover.hatenablog.jp

それでも今回のMcCを買い求めた理由は、10年前後の熟成年数で、なおかつプレーンな感じのローズバンクを飲みたかったからです。なかなか見つけられなくて、見つけたのがMcCというわけです。

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閉鎖蒸溜所なので、リリースされるものは、どうしても長熟になりますよね。そういうものも大いに魅力的なのですが、熟成年数が短めのものを飲んでおきたかったんです。

これは、ブローラを飲んだ時に思いました。何と言うか、そのウイスキーが普通に存在していた時代の物を飲みたくなったんです。

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他にも、UDレアモルトのブローラを飲んで「こんなにパワフルなウイスキーを作る蒸溜所だったのか」とびっくりしました。

ブローラ経験値が低いので間違っているのかもしれません。でも、そう感じたのが率直なところです。

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そんなわけで、「すっげー美味いローズバンクが飲みたいぞ!」という方は、今回のMcCは「あれ……」と首を傾げる気がします。

確かに美味しいんです。でも、某おまんじゅうのように「うまい、うますぎる」という感じではなく「あ、うん、美味しいね」という感じです。好みで言えば、私はこっちのローズバンクの方に軍配を上げます。

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ただ、熟成期間が10年ぐらいのローズバンクを飲んで「そっか、こういう感じなのか」と知ることができたので、私は大満足です。それに、抜栓直後なので、しばらく様子を見る必要もあるでしょう。後日に、あらためて飲んでみます。

ちなみに、同じ年数で43%バージョンもあるので、こちらも見かけたら飲んでみたいですね。

【コルクについて】

さて、今回も古酒ということでコルク崩壊対策を整えてから抜栓していきました。まずは、暖かい部屋に移動します。

パッと見たところ、特に怪しい様子は見られません。でも、「コルクの状態は良くないだろう」という前提で進めていきます。

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毎回恒例、電子レンジで即席蒸しタオルを作ってネック部分をあたためていきます。壁紙が白色なので目立ちませんが、タオルから湯気が出ています。

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待っている間、もしもの時に備えてレスキュー用具を準備しておきます。なんか、ちょっとした手術を始める感じですね。

ちなみに、真ん中の水色の道具は歯科用品です。先っぽが少し曲がっているので、コルクが割れてしまったときに掻き出しやすくて重宝しています。薬局で買えますよ。

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さて、待つこと数分。待つのに飽きてきたので栓を抜いていきます。捻らずに、ゲームコントローラーのジョイスティックみたいに、上、下、左、右と笠の部分を傾けていきます。

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上手に抜けました!

……が、コルクの先っぽが痩せていました。多分、捩じったら多分「ぐちゃっ」ってなったと思います。

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このままだときちんと封ができるか不安なのでコルクを替えておきました。でも、ストックが無くなったので、買っておかないといけませんね……・。

【最後に】

実は、ここ数日、猫のピートくんが体調を崩していました。原因は布の誤食です。お客さんが遊んでくれた際に「片づけておいてね」と言わなかったために、ピートくんが食べてしまったんです。これは私の責任です。

幸いにも誤食した布を頑張って吐いてくれたので、ウェットフードを食べさせつつ病院でもらった胃薬を飲ませることで、ようやく本調子に戻りました。

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今日は久しぶりにホッとしながらウイスキーを飲めました。心が穏やかな時に飲むウイスキーは美味しいですね。

また、ここ数日、夜中に起きて様子を見に行くなどして寝られない日々が続いたので、やっと枕を高くして寝られそうです。ちゃんと気をつけないといけないなと反省しつつ、今日はこのあたりで失礼させていただきます。

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