キルホーマン 2009年 シングルバーボンカスク 57.9%
Kilchoman
SINGLE BOURBON CASK
熟成年数:5年(2009年~2014年)
容量:700ml
アルコール度数:57.9%(カスクストレングス)
地域:アイラ島
【香り】
今回は開栓直後ということもあり、注いだ直後はヨードの香りが強いが、徐々にレモン、ジャスミン、ミントといった香りが感じられる。また、ややインクのような金属っぽい香りも感じる。少し加水することで、干し藁や燻製のような香りが強くなる。ただ、ややじめっとした香りも出るように感じるので、注意する必要があるように思う。
【味わい】
しっかりとしたピートとともに、甘みも感じる。樽の影響はあまり感じない。若々しく、出汁っぽさを感じる。少量加水で、その傾向は強くなるように感じた。 余韻は長く、ピートが残る。
【留意点】
今回は開栓直後です。時間が経つことで変化するものと思われます。
【もう少し詳しく】
アイラ島の新鋭として登場したキルホーマン。「フロアモルティングをやるそうな」という話を聞いて、「凝ったことやるなあ」と思った記憶があります。随分と昔のような気もしますが、2005年生産開始だそうなので、もう10年以上が経過しているのですね。
現在では大手スーパーでも見かけるようになりました。ただ、ちょっと価格が高いです。たとえば、イオンリカーだとラフロイグ10年が6048円(税込)に対して「マキヤーベイ」が7884(税込)円。1800円ぐらい高いです。
でも、調べると「なるほどなあ」と思います。
「最小サイズの蒸溜器」「極少量生産のシングルモルト」からわかるように、生産量が少ないです。
驚いたことに、キルホーマンが使っている麦芽の2割が、なんと自社畑で獲れた大麦だそうです。その大麦を、キルホーマン独自のピートで乾燥させて製麦を行い、糖化、発酵、蒸留、熟成をアイラ島内で行い、さらにアイラの水で加水しているとのこと。
おまけに、2011年にはボトリング設備を導入して、瓶詰めまで行うに至ったそうです。*2
設備投資の回収も必要でしょうし、なるほど、これはお金がかかるはずです。応援したいですね。
なお、現在話題をさらっている日本の厚岸蒸留所も、厚岸産の麦、ピート、樽材……とオール厚岸を目指しているそうですね。
その反面、高価になりそうだという話も聞きます。どれぐらいまでお金を出せるかは個人差が大きい部分ですが、とても楽しみでもあります。
*1:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kilchoman_Distillery_3.jpg
*2:WhiskyGalore 2017 VOL.02 P49~P50
*3:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kilchoman_Distillery_on_Islay,_Scotland.jpg(7 August 2007、)