インペリアル(閉鎖蒸留所) 20年 シグナトリー
IMPERIAL(1998年閉鎖)
SIGNATORY VINTAGE
シングルモルト
熟成年数:20年(1995-2016)
容量:700ml
アルコール度数:46%
地域:スペイサイド
【香り】
開栓直後はオーキーで、ややえぐさを感じたものの、ひとつきほど時間をあけて飲むとかなり軽減されていた。
グラスに注いでからじっくりと待つことでリンゴやバナナの甘やかな香りが強くなる。このうちバナナと感じた要素は人工的で香料のような印象を受けた。また、パイナップルのように酸味も感じる果物をイメージする香りも出てくる。奥に淡いピートを感じる。
【味わい】
度数相応のアタック。香りと同様にフルーツを感じさせる甘さ。また、クリーミーだと感じる。麦の香ばしさもしっかりと感じると同時に、香りと同じく淡いピートもある。
【もう少し詳しく】
とにかくフルーティーでぐいぐい飲めます。「もうちょっと飲もうかなー」なんて言いながら、くいくい飲めてしまいます。やめられない、とまらない、意識がないとなってしまいそうな恐ろしいボトルです。
バーで飲んでボトルで「これはボトルで欲しい」と思ったのが出会いでした。
もっとも飲むタイミングで随分と印象が変わると感じます。私自身の好みとしては、じっくり待った方が良いなあと感じました。
実は開栓したのは12月なのですが、開栓直後は華やかというよりもオーキーで、「バーで飲んだのと違うなあ」と思っていました。
しかし、時間を空けたことに加え、グラスに注いでから待つことによってフルーティーな部分が出てきました。
リンゴとバナナって、方向性が違う果物だと思うんですが、両方感じるんですよね。
リンゴについては、ちょっと酸味を感じます。蜜の部分というよりも皮の部分でしょうか。人によっては青りんごと感じるかもしれません。
バナナについては香料というか、ミックスジュースというか、果物としてのバナナの香りとはちょっと違うと感じました。
そして後半に感じる麦の香ばしさと淡いピートが、全体を引き締めてくれます。これのおかげで「甘い、香ばしい、うまい」という無限ループが発生します。
インペリアル、なんて恐ろしい子!
さて、「シグナトリー」は、私が初めて購入したボトラーズです。購入した理由は「Sマークがかっこいいから」。10年以上も前の話です。確かボウモアだったかなあ……。
今となってはシグナトリーを購入して良かったと思います。というのも、ラベルに詳しく情報が書かれているからです。*1
「Hogsheadsってなんだ?Caskってなんだ?」という疑問を持ち、調べていくことで、色々なウイスキーに出会うことができました。
ウイスキーラベルを見ると「Cask No's: 50255+50257+50258」と書かれています。
50254番の樽と50256番の樽は、同じシグナトリーのカスクストレングスバージョンに使われています。
さて、インペリアル蒸留所は1998年に閉鎖されました。現在は新しくDalmunach蒸留所が建設され、2015年から操業が開始されました。実は、私も最近になって知りました。
調べると、BBCニュースでも取り上げられていました。英語が聞き取れなくても、ガラス張りの建物やきれいなポットスチルが見られるのでオススメです!
New Dalmunach Distillery opened by Nicola Sturgeon - BBC News
ちなみに、Dalmunachは「ダルムナック」と表記されることが多いようですが、アナウンサーの発音では「ダルマナッ(フ)」という感じでしょうか。
GoogleMAPで写真を見ると、Dalmunach蒸留所の着工前と着工後の写真が見られて興味深いです。
まず、2011年8月の写真です。インペリアル蒸留所の建物は2013年に取り壊されたので、その前です。まだ看板も残っています。周囲を見わたすと、芝生も生えていて、結構のどかな雰囲気です。
こちらは2014年10月です。すでに看板も撤去されて、新しい蒸留所の建設工事が始まっています。
インペリアル蒸留所は数種類のボトラーズを飲んだ経験しかありませんが、好印象を持っています。
孤独のグルメ風に言うなら「いかにもウイスキーってウイスキーだ」という感じです。
閉鎖蒸留所とはいえ、まだ手に入れやすいですね。機会があれば、別のボトルも買ってみようかなと考えています。
*1:もちろん、シグナトリー以外にも詳しく書かれているものもあります。