琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

コンヴァルモア(閉鎖蒸留所)1983-1999 マキロップスチョイス シングルカスク

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CONVALMORE
Mackillop's Choice
シングルモルトウイスキー
熟成年数:16年(1983年3月~1999年10月)
容量:700ml
アルコール度数:56.2%
地域:スペイサイド、ダフタウン地区 

【香り】

度数の割にアルコールの刺激を感じない。麦芽の柔らかい甘い香りと蜂蜜のような濃度を感じる甘い香り。やや時間を置いてスッとした香り。ミントのようにも感じるが、リースリングやアルバリーニョのような白ワインのようにも感じる。また、煙のような香りも感じるのはピート由来だろうか。なお、全体的には甘い香りが勝る。

【味わい】

しっかりとした味わい。リンゴの蜜のような甘さ。やや遅れて少し潮っぽさを感じる。余韻はクリーミーだが清涼感も感じつつキレよく消える。なお、一瞬だけ苦味が鼻孔を抜ける感じがある。
グラスを分けて加水も試みたがバランスが崩れてしまった。加水はお勧めできない。

【もう少し詳しく】

今日はコンヴァルモアです。 蒸溜所の場所はバルヴェニーやキニンヴィのご近所さんです。もっとも、1985年に閉鎖されてしまい、1990年にバルヴェニーやキニンヴィのオーナーであるウィリアム・グラント&サンズ社に買い取られました。

GoogleMAPでも「The lost」と表示されます。現在は同社の熟成庫として使用されているとのことです。

昔、よくわからないときに「なんか面白そう」と思って買ったボトルですが、閉鎖されていて今ではなかなかのお値段で売られていますね。調べるとBlack & Whiteの原酒として有名だったようです。

なんというか「すんげーうめー!」という感じではないのですが、ときどき思い出したように飲みたくなります。「ははあ、うまいね」という感じです。

ちなみに不思議なことに、ちょっと潮っぽいんですよね。なんでだろう。

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ところで、由来はわからないのですが、一瞬ですが苦味を感じました。私は気にならないのですが、人によっては好みが分かれる部分かもしれません。

個人的にはノーヒントだとスペイサイドと言えないだろうなあと思いました。

なお、加水してみるとバランスがガタガタっと崩れてしまいました。苦いというか煙たいというか、とにかく長所であるはずの甘さが吹き飛んだと言えばいいのでしょうか。

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 ちなみに「コンバルモアは蜂蜜のようにスイート」と聞いたことがありますが、要素としては強くなかったです。年数も影響するのでしょうね。

 最近、こういうのも販売されましたが、現在の価格が1200ポンド。現在のレートで日本円に換算すると17万円ぐらいです。さすがに手が出ないですねえ。

www.thewhiskyexchange.com

ところで、実は昨日の「伊達」のまとめで壮大な勘違いをやらかして、フォロワーの方から「違うよー」と教えていただきました。ありがとうございました。

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「気を付けなきゃいけないなあ」と思いながら蒸溜器のことを調べていると、コンヴァルモアに関する話が目に留まりました。そこで、今日はコンヴァルモアと決めた次第です。

Convalmore Distillery, Dufftown. - geograph.org.uk - 162578コンヴァルモア蒸溜所は1909年に大規模な火災で大ダメージを受け、それを機に連続式蒸留機でモルトを蒸留するという新しい試みがなされました……しかし。

出来上がったウイスキーが以前と全く違ってしまって大不評だったそうです。結局、元のようにポットスチルで蒸留するようになったそうです。

色々なことを試して、現在のウイスキーがあるんだなあとしみじみ思いました。