マルスウイスキー 信州(長野県限定販売)
マルスブレンデッドウイスキー 信州
最低熟成年数:表記なし
容量:200ml
国:日本
地域:長野県
種別:ブレンデッドウイスキー
【香り】
香りは大きく広がらない。開栓直後ということもあってか、かなりアルコールの刺激が強く、ウイスキーというよりも、スピリッツのような印象を受けた。
時間が経っても、この印象は変わらなかった。
【味わい】
熟成感はほとんど感じられない。時間が経つと幾分か刺激も和らぐものの、ストレートで飲む必要性は感じられなかった。
オンザロックではグレーンの要素が強調される。後味はほろ苦いが、ここでもニューポットのように若さを感じた。
水割りにすると、穀物のような甘さが強く感じられるようになる。
ソーダで割ると、のっぺりとした甘さが目立つが、するする飲める。今回試したなかでは、ソーダで割って飲むのが最も良いと感じた。
【もう少し詳しく】
今回の「信州」は、長野県限定販売のブレンデッドウイスキーです。先日、長野県にある「王ヶ頭ホテル」に行ってきたので、自分用のお土産として買ってきました。
王ヶ頭ホテルは標高2034mにあるホテルです。今回「も」と書いたとおり2回目の宿泊だったのですが、前回は台風が直撃しました。星を見に行ったのですが、それどころではありませんでした。
前回は、子牛にエサをやってのんびりしていました。
そんなわけで「今度こそ星を見るんだ!」と意気込んで連泊したのですが、自然は厳しいですね。今回も夜空は白く、わずかばかりの星しか見えませんでした。
嘆いても仕方が無いので、ラウンジに置いてあった本を読んだり、ぼけーっとしたりして過ごしました。星を見られなかったのは残念でしたが、これはこれでホッとする時間となりました。
また、日中であれば多少は天気の良い時間もあり、雲海や霧氷、雪の結晶やダイヤモンドダストを見たり雪上車に乗ったりすることができました。
普段できないことを体験するのは、良い刺激になりますね。仕事関係で嫌なことが続いていたので、良いリフレッシュとなりました。
ちなみに、王ヶ頭ホテルは料理も美味しいです。しかも、山の上なのに山ほど食べさせてくださいます。毎回「苦しい……」と言いながら食べていました。
もちろん、お供は「岩井」です。高地では酔いが回りやすいと聞いてましたが、確かに普段より酔いやすいと感じました。実体験できて良かった(?)です
旅行については、別口でまとめてみようと思っています。
【「信州」について】
さて、前置きが長くなりました。今回の「信州」は、本坊酒造さんの公式Webサイトに情報が載っています。
「長野県限定」なんですが、実はAmazonでも楽天でもYahoo!ストアでも買えます。長野県にある酒屋さんのネットショップからも買えます。
それなのに、わざわざ現地で買ってきたのは、「地酒」的な雰囲気に惹かれたからでしょうか。
以前にまとめた「伊達」も宮城県限定販売で、仙台市を訪問した際に購入しました。
現在では旧ラベルの「伊達」もびっくりするような価格で売買されているし、新ラベルもなかなか手に入りません。
ただ、もともとは「地酒」というか「地ウイスキー」みたいな感じでしたし、「うちの特産品、飲んでね」という気軽な感じだったと思うんです。
ワインも五大シャトーに代表されるプレミアムなワインがある一方で、持参した瓶に詰めてもらうデイリーワインもありますよね。
今回の「信州」は、キャッチコピーにも「ストレート、ロック、水割りと手軽にお楽しみ下さい。」と書いてありますし、気軽に楽しむウイスキーということがわかります。
この気軽に楽しむ雰囲気って、なかなか大切だと思うんです。
多くの方が既にご存知ですが、ザ・ニッカ12年も終売の話が出ています。公式情報はまだ出ていませんが、今までの流れだと、2月17日(日)に行われる秩父ウイスキー祭り開催後にプレスリリースが出てくるのかな?と思っています。
ザ・ニッカ12年だけで済めば良いのですが、カフェモルトやカフェグレーン、フロムザバレルにまで影響が及ぶことも十分に考えられます。
もしもフロムザバレルが休売になったらショックですが、とにかくウイスキーが高級品として扱われる流れは、しばらく続くのでしょう。
そんな今だからこそ、「こういうのでいいんだよ、こういうので」というウイスキーにも目を向けたいなと思ったんですね。
率直な感想を書けば、凄く美味しい!という訳ではありません。ストレートでは、ちょっと若い感じが気になりました。
ウイスキーと言うよりも焼酎と言った方がしっくりくる感じでした。オンザロックも試しましたが、いっそのこと、バーン!と水で割った方が良いなと感じました。
そこで水割りを作ったところ、なかなか良かったです。レシピは「ウイスキー1:水3」で、ちょっと水が多めです。
水が少なめだと、刺激を強く感じました。
個人的に最も好みだったのはハイボールです。公式オススメではないのですが、私は、この飲み方が一番良かったと思います。
炭酸の刺激が目立つとも言えますが、確実に飲みやすくなりました。
今回使ったのはWILKINSONのタンサンでした。柔らかめの炭酸水を使ったら、また雰囲気も変わるかもしれません。
ウイスキーの味と価格は比例する傾向がある、と私は感じています。ちょっと嫌な言い方ですが、「信州」よりも美味しいウイスキーはたくさんあるでしょう。
キャッチコピーには「モルトの華やかな香りが特長」とありますが、正直に書くと、かなり戸惑いました。
ただ、「信州」は「うん、若さが目立って……」とか考えながら飲むものではないと思います。
あまり気取らず、「いやはや、今日も頑張ったわい」と言いながらグビっと杯を傾ける。いわば、昭和のビールポジションですね。
テレビなりNetflixなりをYouTubeなりを見ながら、気軽に飲む感じです。「普段使いのウイスキー」と呼べば良いのでしょうか。
ちょっとノスタルジックなウイスキー。
どことなく懐かしさを感じるウイスキー。
それが、今回の「信州」だと思います。
……うん、すごくクサいですね。クサさが規定値を越えたのでギップルが登場します。
ギップリャアア!
すみません、ちょっと書いてみたかったんです。
でも、本当に気軽に飲めるウイスキーだと思っています。
【本坊酒造さんについて】
気を取り直して、本坊酒造さんについてです。本坊酒造さんは、ウイスキー需要低迷期には蒸留を休止されていました。
しかし、2011年から蒸留を再開され、今年2019年の1月には、生産設備の増強とビジター棟の新設が発表されました。
生産設備の増強の詳細は、PDFファイルで公表されています。そのうち、該当箇所を抜粋させていただきます。
本坊酒造News Release 2019.01.07
マルス信州蒸溜所のウイスキー生産設備を増強
~蒸留酒ビジネスの一翼を担うブランドを目指して~
https://www.hombo.co.jp/img/company/press/20190107_mars_shinshu.pdf
ビジター棟は、是非とも訪問したいです。今から楽しみですね。
【おわりに】
日本のあちこちで、新しい蒸溜所が作られたり、生産設備の増強が進んでいます。ただ、現在のウイスキーブームは、バブルのようなもので、いつか弾けてしまうんじゃないかな?と不安に思っています。
日本の蒸溜所が、この先も活況のままだったらいいですよね。そのためには、今回のような地ウイスキーを買っていくことが、蒸溜所の存続につながるのかな?と思いつつ、本日はこのあたりで失礼させていただきます。