琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

新川伏流水仕込 シングルモルト  宮城峡 ノンエイジ(NA) 旧ラベル(終売品)

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新川伏流水仕込 シングルモルト 
宮城峡
最低熟成年数:不明(ノンエイジ)
容量:500ml
アルコール度数:43%
地域:日本
種別:シングルモルト

【香り】

蜂蜜漬けのナッツ。黒糖。炭。時間が経つと、リンゴのような甘やかな香りが立ってくる。さらに時間が経つと清涼感が出てくるが、少し人工的な印象を受ける。

【味わい】

香りと少し傾向が異なるが、非常に甘やか。とろりとして、少し粘性を感じる口当たり。

時間が経つと柔らかい酸味も出てくるが、やはり最後は麦の上品な甘みが盛り返してくる。余韻は中程度から少し長めで、フェードアウトしていく。その際に、ほのかではあるがピートを感じる。

【留意点】

開栓してから年数が経過しています。開栓直後は、もう少しアルコール臭が強く刺激も

強かったです。

【もう少し詳しく】

先日まとめた「石炭直火蒸溜 余市」と同シリーズです。熟成年数が表示されていないノンエイジとなります。

amberlover.hatenablog.jp

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自分が感じたものを残しておきたいので、テイスティングコメントを載せておきましたが、実はラベル裏面に解説が書かれていて、そこに香りと味わいについても書かれています。当然のことながら重複する部分も多々ありますが、公式のテイスティングコメントは重要だと考えているので、以下に書き写しておきます。参考になさってください。

【香り】

花のような香り立ち。モルトとかすかなシェリー樽由来の甘い熟成感が調和。林檎のような爽やかな香り。

【味わい】

まろやかでシルキーな口当たり。フローラルな甘さと軽快なフレッシュ感。穏やかな余韻。

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せっかくブログを書いているので、ちょこっとだけ個人的な感想を添えさせてもらいます。

まず、【香り】の「花のような香り立ち」という部分です。私も過去に「白い花」とか書いていますが、今回はあまりピンときませんでした。むしろ、最初は濃厚な果実様の甘さが目立ちました。*1

特に黒糖のような香りを拾って「ん?」と思ったのですが、シェリー樽も使っているので、そこ由来しているのでしょうね。

あとは、開栓直後との比較についてです。余市NAのときにも書きましたが、開栓直後は若さが目立ったことを記憶しています。そのときと今回とを比較すると、ずいぶんと変化したなあと感じました。

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ちなみに、オンザロックでも飲んでみましたが、甘さが消えてしまいました。その代わりにアルコール感が出てきてしまい、どうも好みではありませんでした。ここらへんはノンエイジの難しさでしょうか?

あとは、氷が溶けることで粘度が変わり、とろりとした口当たりが無くなってしまったのも残念でした。

そんなわけで、私はストレートで飲みたいですねー。

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さて、今回のNA宮城峡は2008年3月4日火曜日から発売が開始されました。余市が2007年1月発売だったので、1年以上の時間を空けて発売されたことになります。プレスリリースを貼っておきますね。

『シングルモルト宮城峡500ml』新発売(ニュースリリース) | アサヒビール

ちなみに、このプレスリリースに、当時のシングルモルトの売れ行きについて書かれていたので引用しておきます。

国内市場におけるシングルモルトウイスキーの出荷数量は(中略)07年年間では40万箱(1箱は700ml×12本換算)を超える規模に達するものと見ています。

もちろん、最近はウイスキー全体の消費量が上昇傾向なので、こんなもんじゃないですよね。最近の情勢について、本来は一次ソースに当たるべきなのでしょうが、今回はちょっと手を抜いて東洋経済の記事を引用させていただきます。

toyokeizai.net

なかなかセンセーショナルな記事名ですが、国産ウイスキーをdisりたかったわけじゃなくて、国内のウイスキー需要とブラックニッカについて触れられていたからです。

まず、ウイスキー需要について以下の通りに書かれています。

ハイボールブームを追い風に、国内のウイスキー需要が拡大している。消費量はブーム前の2008年に7500万リットルだったものが、15年には1億3500万リットルにまで拡大。

そのうえで、ウイスキー消費量の拡大を支えているのがブレンデッドウイスキーハイボールであると指摘しています。

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ハイボールウイスキーの消費量を上げている点は、私も納得がいくところです。角とブラックニッカの出荷量が増えていることも事実でしょうし、個人的に「ニッカさん、ちょいとばかしブラックニッカのシリーズもののリリースが多いんでないかい?」とも感じています。

その一方で、ブレンデッドだとFTB*2ことフロムザバレルもザ・ニッカ12年も販売が続いています。シングルモルトだと、竹鶴も余市も宮城峡もNAですが出荷は続いていますよね。

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気になるのは、1969年に創業した宮城峡蒸溜所が、来年の2019年には創業50周年を迎えることです。長熟の宮城峡がリリースされるのか、オリンピックの2020年まで粘るのか、それとも両方ともやるのか?

ピュアモルトレッドやブラックのときも書いたと思いますが、ニッカさんのウイスキーは、不遇の時代が長かったと思います。

70周年を迎えた際の記念のボトルも、酒屋さんで売れ残っていたんですよね。まだ、こんな感じのラインナップだったんですよ。懐かしいです。

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もちろん、記念ボトルがリリースされた場合は、さすがに以前のように気軽に買えないでしょう。片田舎在住の私では飲めないと思っています。

でも、いいんですよ。ニッカさんには、是非「ブラックニッカ屋さん」ではなく、今後も色んなウイスキーを作ってもらえたら嬉しいです。ニッカファンとして、「どんなことをするのかな?」と今から期待しています!

【おまけ】

ところで、ひと昔前に「いいなあ、安いなあ」と指をくわえて眺めていた旅行プランがあります。それは、こちらです。

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「仙台秋保・作並 冬の温泉満喫プラン」

http://www.sendaimiyagidc.jp/templates/user/images/pdf/121226b.pdf 

平日限定ですが、一泊二日で夕食がついて、ウイスキーが1本ついて1万500円(※入湯税別)。宮城峡蒸溜所への送迎もしれくれます。

安いですよね。このプランは平成26年まで確認できるんですが、それ以降は見当たりません。さすがに、今となっては難しいのかもしれませんね。

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http://www.sentabi.jp/wp-content/uploads/2013/11/akiusakunami.pdf

私は、私は宮城峡蒸溜所に行ったことがありません。そして、宮城峡に行くには飛行機が必須な場所に住んでいます。おまけに猫を飼い始めたので、最近はあまり家を空けることもできません。

でも、猫は可愛いですし、Googleストリートビューで何となく雰囲気は掴めるので「ま、いっか」と割り切っています。赤色の建物だけじゃなくて、ポットスチルも見ることができるんですよ。ありがたいですね。

ちなみに、飼い始めた猫は保護猫団体さんから譲り受けたのですが、2匹とも無事に1歳を迎えることができました。大運動会を夜中に開催したり水をぶちまけたり早朝からドアにタックルしたりしていますが、少しずつ成長していっています。

ウイスキーを飲むことも楽しいけれど、やっぱり家族あっての趣味だなあ、と。そんな柄にも無いことを考えながら、本日はこの辺で失礼します。

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*1:ただ、公式テイスティングに書いてある以上、「花のような香り立ち」は存在しているはずなんですよね。この点については、私の感覚が鈍いのでしょう。

*2:私が勝手に略しているだけです。公式じゃないです。