ウイスキープロフェッショナル:官能試験とは?
WP試験の概要と筆記試験についてまとめてきました。
まずは概要について。
次に、筆記試験について。
そして、今回は官能試験(テイスティングテスト)について「こんな感じの試験でした」と言う報告をまとめます。受験される方の参考になれば幸いです。
勉強方法については後日にまとめます。
試験の流れ
まず、試験の大まかな流れは以下の通りでした。
- 会議室のような場所で、一斉に始める。
- 制限時間は60分で、テイスティングするウイスキーは4種類。
- 4種類のウイスキーに関する情報は与えられない。
- 液体の色や粘性、香りや味わいをマークシート方式の用紙に記入する。
- それらをヒントに、生産地域や熟成年数を推定し、マークする。
- そのうえで、そのウイスキーの推薦文のようなものを文章で表す。
- 最後に、出されたウイスキーの銘柄を推定して書く。
ちなみに、500mlペットボトルの水が1本と紙コップが1つ貰えるので、必要に応じて加水することができます。
ポイントは何か?
ブラインドテイスティングというと、どうしても銘柄を当てられるかどうかに意識が集中しがちです。ただ、土屋守さんご本人はマスターオブウイスキーについての座談会で、こう仰っています。
「我々が要求しているのは『これはこういうウイスキーですよ』ということをちゃんと自分の言葉で相手に伝えられるかどうか。決して銘柄を当てることが重要ではありません。
(中略)
顕著な香りを大きく外したらダメですけどね。」『コニサー倶楽部 Vol.1 (2016 april)』P10
更に、雑誌の企画でブレンデッドウイスキーのブラインドテイスティングを行った際にも、こう仰っています。
渋谷:あと、今回はまったくのブラインドでやったので、種明かしが面白かったです。
土屋:まあ、銘柄は当たるわけがないよね(笑)
(中略)
土屋:そこからシングルモルトに戻ると、圧倒的な個性だなと改めて感じるんだけど。『WhiskyGalore』Vol.07(March 2018)P49
これらの話をまとめると、官能試験では、ウイスキーの個性を分析できるかチェックしているとみてよいでしょう。
だから、試験のポイントは、答えを当てるというよりも「明らかな間違いを選んで減点されないこと」だと考えて、試験に臨みました。
出題されるウイスキーと、その意図について
では、どのようなウイスキーが出題されるのでしょうか?こちらもデータがWebサイトで公開されています。
詳しいデータはリンク先でご覧いただくとして、昨年度に出題されたのは以下のウイスキーでした。
開始当初は「竹鶴21年」とか「アードベッグ ルネッサンス」なども出題されていましたが、ここ数年はスタンダードなボトルが選ばれています。また、地域や特徴があまり重ならないように選ばれていると感じます。
そうしたことから、大まかな出題意図は以下の通りだと私は感じました。
実施年によって出題意図に多少の変化もあるようですが、個性を掴むこと、その個性を踏まえたうえで他人に説明できることが重要であることは、土屋さんが仰る通りではないでしょうか。
私が答えたもの
まだ正解が分からないので、もしかすると全部ハズれているかもしれません。ハズレていても仕方がないし、むしろ「銘柄を当てることは重要ではない」という話の証左になるので、ここは人柱になる所存です。
本番で私が書いた答えは下記のとおりです。
すみません、「はあ?(記憶がありません)って何やねん!?」と思われた方も多いでしょう。たぶんアードベッグTENを書いたと思うのですが……。
実は、本番で大失敗をやらかしたからなんです。それも「加水に失敗する」という、普段ならありえない理由でした。
その話も含めた本番の様子については、また次回にまとめさせていただきます。
本日はこのあたりで失礼します。