琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

スペイバーン 10年

大阪の地震について

18日に発生した地震は、亡くなった方々もいらっしゃるなど本当に大変なことになりました。怪我が無くとも、不安な日々を過ごされている方も多いことかと思います。

大阪圏内には知人も住んでいるため、私もできる範囲でお手伝いしていこうと思います。

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SPEYBURN 
AGED10YEARS
アルコール度数:40%
最低熟成年数:10年
容量:50ml

地域:スペイサイド
地区:ローゼス
カテゴリ:スコッチ、シングルモルト

【香り】

オーキーだが、徐々に青りんごやマスカット、梨といった、爽やかで酸味を感じる果実の要素。少し待つことで、黄桃のような熟した要素を感じさせる香り。後半には、やや若さを感じさせる香りも感じる。

【味わい】

最初はレモンのように酸味を感じる味わい。度数相応にさらりとしているように感じたが、途中からクリーミーさも感じられた。酸味と甘みのバランスは良いものの、酸味が少し勝る印象を受けた。余韻は短いが、やや若さを感じる。また、コショウのようなスパイシーさも微かに感じる。

【もう少し詳しく】

グレンリベットとグレンフィディックを飲み比べようかなーと思ったのですが、一昨日こんなことを呟いたところ、多くの方が反応してくださいました。

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https://twitter.com/pasapasa985/status/1007927001573777408

幾度か書いている通り私は白州が大好きです。ただ、酒販業者の方をはじめ白州でなければならない場合は別として、個人で飲むのであれば、白州以外の選択肢は色々と残されていると感じます。そこで、色々と候補を挙げた次第です。

そのうちの一つが、スペイバーンです。花と動物シリーズも出ていますが、入手しやすいのは今回の10年物でしょうね。

若さが感じられる点では評価は分かれそうですが、酸味と甘みのバランスも良く瑞々しさを感じます。

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といっても、スペイバーンの知名度って高くないですよね。先日のグレンリベットよりも、さらに知られていない蒸留所だと思います。

場所はスペイサイド川流域のローゼス地区です。

ご近所にはグレングラント、グレンロセス、グレンスペイがあります。また、2003年に閉鎖されてしまいましたが、グレングラントの第2蒸留所であるキャパドニックもローゼス地区です。

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ちなみに、ラベルには「HIGHLAND」と書かれていますが、現在の区分ではスペイサイドモルトです。ハイランドでもスペイ川流域はスペイサイドということですね。

ただ、「どこからハイランドなの?」って訊かれると、これはなかなか難しい話のようです。

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【ハイランドとローランド】

区切りとしては様々な考えがあるようですが、パースの街は境界線上にあるようですね。ウイスキー界隈では、ハイランドとローランドの区分はダンディーからグリーノックに伸びるハイランドラインに則っている、という意見が主流のようです。 

区切りがあるということは、それなりに差があるのかな?と思ってwebサイトや書籍を読んだのですが、ハイランドとローランドは言語を含めて文化そのものが違うということがわかりました。

オススメ書籍は、『イギリス文化入門』(下楠昌哉 責任編集・著、三修社)ですね。400ページぐらいありますが、かなり分かりやすいです。

www.sanshusha.co.jp

「はあ?400ページ?読む時間もねーよ!」と言う方のために、スコッツ語センターさんの解説を引用させていただきます。

スコッツ語はローランド(低地)地方の伝統的なゲルマン語派の言語で、英語(イングランドの英語)とは姉妹関係にあります。(中略)
スコッツ語は、ハイランド(高地)地方やウェスタン・アイルズで話されているケルト語派の言語であるスコットランドゲール語と混同しないよう注意が必要です。

www.scotslanguage.com

なお、もっと括りを広げてイングランドスコットランドの差について言及されているものだと、ウォルター=スコットの『ウェイヴァリー』という長編小説があります。

これは1745年に起こったジャコバイトの反乱事件を背景に、イングランドの青年がスコットランドのハイランドに行くお話です。言語や宗教、政治信条など文化がまったく異なる地で様々な経験を積む話です。

万葉舎さんから日本語訳が出版されています。長編ですが、面白いですよ。

manyohsha.co.jp

【最後に、4つの蒸留所を挙げた理由】

さて、話をウイスキーに戻します。そもそも4つの蒸留所を選んだのはなぜか?私なりの理由が2つあります。

まず、場所が異なる蒸留所を飲み比べるのも面白いと思ったからです。

次に、スタンダードのフルボトルが4000円以内で買えることです。リヴェットやスペイバーンはミニボトルも買えるし、お財布にも優しいと思います。

現行品で無いものも混じっていますが、少し書いたものがあるので、良ければご覧ください。

amberlover.hatenablog.jp

amberlover.hatenablog.jp

もちろん、ここの白州NAを加えていただいても良いと思います。まだまだ180mlボトルが手に入る地域もあると聞きますし、面白いと思います。

amberlover.hatenablog.jp

ちなみに、スペイバーン10年に関しては、アルコール度数が43%のものも手に入ります。買おうかな、どうしようかなー?と迷っている最中です。

では、今日はこの辺で失礼します。