ウイスキーラバーズ名古屋 2019 その4
去る1月20日(日)に、愛知県名古屋市にある吹上ホールで「Whiskey Lovers Nagoya 2019」が開催されました。 記憶が新しいうちにサクッとまとめていきます。今回は第4回です。
【はじめに】
今回はサントリーさんのセミナーについてです。内容をまとめるにあたり、サントリーさんから許可をいただきました。スタッフの方におかれましては、細やかに対応してくださりありがとうございました。この場をお借りして、御礼申し上げます。
また、このセミナーの段階では結構フラフラでした。お近くに座っていらっしゃった方には気がつかないうちに、ご迷惑をかけていたかもしれません。もしそのようなことであれば、申し訳ありませんでした。
【留意していただきたいこと】
セミナーでは録音・録画が禁止されていました。そのため、少しうろ覚えな部分もあるように感じます。「それ、違うよ」と言う部分があった際には、教えていただければ嬉しいです。お手数をおかけしますが、宜しくお願い致します。
【今回のセミナーについて】
私が参加したセミナーは、「サントリーウイスキーの品質へのこだわり」です。講師はサントリーさんのチーフブレンダーである福與伸二さんでした。
こういう感じの案内で、申し込みは、中日文化センターからでした。
「品質へのこだわり」とあるものの、さすがに品質管理ばかりの話ではないだろうから、テイスティングもあるだろうと思い申し込みました。
【事前に考えていたこと】
今回のセミナーの題名は「サントリーウイスキーの品質へのこだわり」で、かなり抽象的です。そのため、私は次の2点が気になっていました。
- 話の軸に何を据えるのか?
- どのような流れでテイスティングに結び付けるのか?
話の軸については、様々なものが想定されます。樽や地域、熟成年数やペアリングなどが挙げられるでしょう。このうち、熟成年数が軸になることは無いだろうなと思っていました。
何せ、この御時勢です。悲しいことですが、長熟を出すのは難しいことは容易に想像がつきます。となれば、残る選択肢は、以下の3つぐらいかな?と考えました。
- 蒸留所の個性
- 樽(木材)の個性
- グレーン
詳しいことは後にまわしますが、結論から書くと話の主軸は「2.樽(木材)の個性」と「3.グレーン」で、「1.蒸留所の個性」についてはほとんど触れられませんでした。
その他の細々とした話もありますが、とりあえず振り返っていきましょう。
【当日の様子について】
今回の試飲アイテムは以下の5つです。
- ESSENCE of SUNTORY 知多蒸溜所 ワイン樽4年
- シングルモルトウイスキー 山崎蒸溜所 リフィルシェリーカスク
- シングルモルトウイスキー 山崎蒸溜所 モンティージャワインカスク
- シングルモルトウイスキー 山崎蒸溜所 スパニッシュオーク
- 特別試飲
色んな樽を試しているんだなあとは思いましたが、こうなると気になるのは「5.特別試飲」です。香りを嗅ぐと「あれ、なんかグレーンっぽい」と思ったのですが、いまいち正体を掴めないままにセミナーが始まりました。
講師の福與ブレンダーは名古屋市出身ということで、ご自身のエピソードやサントリーさんの歴史から話が始まりました。笑いどころを持ってくるなど話も上手で、わかりやすかったです。
そして、話題は徐々にグレーンに関する内容に移っていきました。
話の内容は、知多蒸溜所についてやグレーンウイスキーのつくり分け、連続式蒸留器についてや「知多」についてなどでした。
山崎蒸溜所に関する内容も言及されていましたが、やはりグレーンウイスキーに関する説明が厚いと感じました。
そして、ESSENCE of SUNTORY のコンセプトについて話題が移り、ESSENCE of SUNTORY 第2弾の話へと移りました。
これは私も全く想定外の話で、会場からも「おおー」という声が上がっていました。
第2弾は「スパニッシュオークシリーズ」と名付けられており、コンセプトは以下の通りでした。
山崎蒸溜所の多彩なつくり分けから生まれた原酒の中から、スパニッシュオーク樽によって熟成した原酒を発売し、熟成の魅力をお伝えする。
セミナーの内容は、このシリーズに対する理解を深めるための内容に移りました。ワインから樽へ、樽から木材へ、そしてまた樽へと話題が移っていきました。
ワインや樽については勉強したことがある内容も多かったのですが、やはり福與さんのご経験を踏まえたうえでの話となると、興味深いものもありました。
特に、森林の様子については私は非常に面白く聴けました。
話が終わると、「5.特別試飲」の正体が明かされました。「5.特別試飲」の正体は、響21年のグレーンウイスキーとのことでした。
……面白かったのですが、同時に、何故これを選んだのか気になりました。理由については説明が無かった気がします。記憶が飛んでいるだけなのかもしれませんが……。
最後に質疑応答があり、2名ぐらいからの質問を経てセミナーは終了しました。
終わった後で、福與ブレンダーに「碧Ao」について個別に話を伺ったところ、「詳細はまだちょっとねー」という感じでした。
ただ、コンセプトとしては以前からあったものの、大きな会社なので社内事情も色々とあったそうで、作るとなると難しかったということでした。
また、最近サントリーさんのウイスキーがなかなか手に入らないということは「お叱りを頂戴している通りです」とのことでした。
先日は白角の終売も発表されるなど、色々と難しい局面ではあると思いますが、創意工夫をされていることは伝わってきました。お忙しいなか、ありがとうございました。
【最後に】
樽といえば、昔からグレンモーレンジさんが色々と試している印象がありますが、ここ数年、各社も様々なバリエーションを出してきています。
マディラ、マンサニージャ、モンティージャ……何だか魔法の呪文みたいですが、多彩な樽の違いを楽しめるのは面白いなあと思います。
その一方で、原酒が十分じゃないから創意工夫をしているのかな……?と穿った見方をしてしまう自分もいます。
いずれにせよ、酒精強化ワインも含めたワイン全般の知識を持っていた方が楽しめるのかもしれません。そう強く感じたセミナーでした。
そんなわけで、今年はちょっと頑張ってワインについても勉強していくつもりです。
なお、「ずんだ」について書こうと思ったのですが、次回に送ります。