琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

キルホーマン 5年 ソーテルヌカスク マチュア―ド

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Kilchoman
Sauternes cask Matured(シャトー・ディケム)
容量:700ml
アルコール度数:50%
地域:アイラ島 
@Bar AMBER


【香り】

しっかりとしたピートと塩気を感じる。また、燻製のような香りとともに火が通ったベーコンのような香ばしさも連想できる。少し時間が経って落ち着いてくると、甘い香りが立ってくる。蜂蜜のような濃厚な甘さを予感させる香りやオレンジの皮の部分のような香りも感じた。

【味わい】

最初は蜂蜜のように濃厚な甘さを感じる。すぐに塩気を感じられるになり、はっきりとピートも感じるようになる。余韻は程よい長さで、しっかりとした甘みとアイラモルトの薬品っぽさがうまく融合している。

【留意したいこと】

あまり時間が無く15分程度しか時間をかけることができませんでした。

【もう少し詳しく】

過去の記録をまとめることにしましたが、年度初めの忙しさも重なり、書きながらうとうとしてしまいました。でも、たぶん今書かないと忘れてしまうので……。

バーで飲んでいたときに、「最後の一杯は何がいいですかねえ?」と相談して選んだのがこれでした。あまり時間もなく、なんとなーく「アイラモルトのソーテルヌカスク熟成?美味しそう」と思った次第です。

アイラモルトって「ヨードどかーん、パンチどーん」というイメージもありますが、同時にしっかりとした甘さを感じるとも思います。ですから、ソーテルヌカスクの5年熟成なんて聞くと、すごく美味そうだと思ったわけです。

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では、「ソーテルヌ」とは何なのか?ワインがお好きな方であれば常識問題かもしれません。念のために書き添えておくと、ソーテルヌは世界最高の甘口ワインの産地として知られています。同時に、ここで作られたワインは「ソーテルヌ・ワイン」と呼ばれます。特に「シャトー・ディケム」というワインは知名度も高くお値段も高いです。

調べると、今回のソーテルヌカスクもディケムの空き樽なのだとか。そのせいか、しっかりとした甘さを感じます。フェノール値50ppmといえばラフロイグもそれぐらいだったと思いますが、全然違いますね。

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キルホーマンは2005年にオープンして大きな話題となりましたが、今では知名度も上がり、すっかりアイラにある蒸留所として認知されていますよね。

たぶんそのうち長熟も出てくるんだろうなあと思っています。どんなものになるのか楽しみです。アイラモルトの長熟って複雑な味わいで文句なしに美味しいと思います。

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その一方で、今回みたいな短熟やノンエイジも楽しく美味しいと思います。アイラモルトが好きな方のうち、「アイラモルトは荒さが醍醐味だよね」という方は、一定数いらっしゃると思っています。

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 最後に、いくらソーテルヌカスク熟成と言ってもアイラモルトです。飲むとベーコンや潮っぽさを感じます。ですから、ソーテルヌ・ワインを期待してこのボトルを飲むと肩透かしを食らうでしょう。

モーレンジのスピオスやアードベッグのケルピーでも書きましたが、スタンダード商品以外は「こういうのも楽しいよね」というスタンスで、各蒸留所の色んなチャレンジを応援するつもりで飲むと面白いのではないでしょうか。