琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

ジョンウォーカーズ オールデスト(終売品、現:ジョニーウォーカーブルーラベル)

 

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John Walker's Oldest
Aged 15 to 60 Years
熟成年数:15~60年
最適熟成年数:15年
アルコール度数:43%
容量:750ml
種別:ブレンデッドウイスキー

【香り】

甘やかで熟成感を感じさせる香り。上品な酸味も感じる。時間が経つと、香りは複雑さを増す。麦芽、干しアンズ、蜂蜜。その後、スモーキーさも強くなる。やや枯れたような香りも出てくるが、これは人によっては土っぽさと感じるだろう。

全体的に非常に豊かで複雑さが堪能できる。

【味わい】

飲み口は非常にスムーズだが、豊かで深い味わいが広がる。特に、程よいスパイシーさと煮詰めたアンズのような甘酸っぱさは、長期熟成のスペイサイドモルトを思い出させる。しかし、その一方でピートも利いている。こうした多様さは、ブレンデッドならではではないだろうか。

余韻は長く、麦芽やレーズン、ピートが混ざりあって、甘さとともに渋みが心地よくじんわり続く。

【もう少し詳しく】

最近残業続きで疲れていたので、長熟ウイスキーを飲んで心穏やかに過ごそうと思って帰宅しました。出迎えてくれた猫に心を癒されつつ、アルコールの香りは猫が嫌がるので、遊んでから飲みました。

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ストックを眺めつつ「俺の腹は今、何腹なんだ?」と思案していたときに、目に飛び込んできたのが今回のオールデストです。

とにかく色々なアロマが出るわ出るわ。一言で表すと「めっちゃいい香り」です。シェリー樽原酒と思われる香りが主張しますが、オーキーさや穀類を思わせる香りも、ひょっこり顔を出します。実に面白いですね。

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そして飲んでみると、これまた深い。実にお見事です。使われている原酒の年数は15年から60年で、発売されたのが1986年ごろなので、1930年代の原酒もしっかりと使われているでしょう。

モルトウイスキーを飲むことが多いので、長熟ブレンデッドは数本しか所有していませんが、どれもこれも本当に上手に作っているなあと思います。プロのお仕事ですね。

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今回のJohn Walker Oldestで考えさせられるのは、熟成年数の表記です。先に述べた通り、使われている原酒の年数は15年から60年です。

年数表示は使われている原酒の最低熟成年数なので、現在だと「15年」表記となります。このあたりのジョニーウォーカーといえば、15年表記のピュアモルトグリーンや18年表記の旧ゴールドラベルが挙げられるでしょう。

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ピュアモルトグリーンは種別が違うので比較対象としては的外れでしょうが、ゴールドラベルと比べても今回のオールデストは、しっかりした芯と深い味わいを感じます。

年数表記のルールで言えば、旧ゴールドラベルが「18年」で今回のオールデストは「15年」となります。ただ、その違いを考えたときに、やはり「15年」という表記では考えられない味わいです。やはり、長熟原酒の影響だと考えて良いでしょう。

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ちなみに、「TO 60 YEARS」と明記した意図や名前の「Oldest」については、裏ラベルを読めば理解できると思います。

To make this unique blend we carefully select the most precious whiskies from our oldest stocks,which are the largest in Scotland.

「すごいストックから、すごい原酒を選んで、すごいブレンド作りました。世界一です。」って感じですかね。気合が入っていますね。

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その気合は現在も受け継がれており、言うまでもなくブルーラベルジョニーウォーカーのフラッグシップモデルです。「ジョニーウォーカーブルーラベルとは何ぞや?」的なことは過去にまとめたので、今回は割愛します。 

amberlover.hatenablog.jp

この少し前のブルーラベルと比べると、今回のオールデストは香りの芯の部分は似ていますが、味わいという点では異なります。

あらためてまとめるつもりですが、ざっくり言うとブルーラベル表記の方がスムーズと言う感じでしょうか。ハイボールで飲むなら、ブルーラベル表記の方が好みですね。

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ブレンデッドを飲んでいて思うのは、とにかく色々な飲み方を想定して作られているということですよね。

例えば、少し前になりますが、ブルーラベルソーダ割と和食とのマリアージュのイベントが開かれました。

openers.jp

この会を開くにあたって、ジョニーウォーカーのマスターブレンダーであるジム・ビバレッジさんは次のように述べています。

「私自身、ジョニーウォーカーソーダで割る飲み方がとても好きです。力強く骨太なフレーバーは、あわせる料理としてはリッチなもの、スパイシーなもの、オイリーなものと相性がよく、この条件を満たせば料理の地域性を問いません」

確かにリンク先の写真を眺めていると、「こんな料理と一緒に飲めたら、さぞ美味しいだろうなあ」と羨ましくなりました。1枚だけ写真を拝借します。続きは、上記のリンク先でご堪能ください。

Johnnie Walker Blue Label|ジョニーウォーカー ブルーラベル

MHDさん値上げについて

さて、今回のジョンウォーカー表記のブルーラベルは、コルクの抜き方関係で取り上げたものの、単独でまとめていませんでした。

amberlover.hatenablog.jp

思い出したきっかけは、このニュースです。

MHDモエヘネシーディアジオは9月1日から輸入ウイスキーの一部商品を値上げする。原料価格が高騰していることを反映するとしている。
対象は次の11ブランド(21品目)。値上げ幅は5%程度。
ジョニーウォーカー ブルーラベル(略)

日本食糧新聞 2018.07.09 11727号 02面

news.nissyoku.co.jp

5%値上げというのは、なかなかキツいですね……。特に酒販業の皆様は、販売価格に上乗せすべきかどうか悩ましいところだと思います。

今回のニュースを眺めていて「そういや、ディアジオさんのラインナップって、クラシックモルトを含めてあまりまとめていないなあ」と思ったので、今後ちょっとまとめていきます。

それでは、今日はこの辺で失礼します。