琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

グレンフィディック ヴィンテージカスク

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Glenfiddich
CaskCollection VINTAGE CASK
“A PEATY SINGLE MALT”

度数:40%
容量:50ml
最低熟成年数:表記なし

地域:スペイサイド
種別:シングルモルト

【香り】 

グラスに注いだ直後は少し焦げ感のあるピートが目立つ。

時間が経つと麦芽の香ばしさや暖かみを感じさせる柑橘系が出てくる。また、焼きたてのパンのような香りも感じられた。

奥の方に溶剤のような香りも感じられたが、強くは無い。

【味わい】

アタックは度数以上の強さという印象。かなりピーティー。慣れてくると麦芽やバニラといった要素に加え、オレンジや蜂蜜などの甘さも感じられた。また、ビスケットのような香ばしさも拾えた。

フルーティーな要素は長く続かず、ドライな印象も受けた。この辺りは度数相応だろうか。

後味はピートが主張し、じんわり長く続く。少々土っぽさも感じられた。

あまり度数が高いと飲み疲れてしまうのではないか、とも思えた。私は40%でちょうど良いと感じたが、度数についてはシチュエーションにもよるが、好みが分かれる部分だろう。

【もう少し詳しく】

久しぶりに飲んだウイスキーですが、これ、本当に上手に作られています。CaskCollectionのなかで最も驚かされました。

説明文を読むと、以下の通りです。

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A PEATY SINGLE MALT MATURED IN HAND-SELECTED EUROPEAN AND BOURBON VINTAGE CASKS AND MARRIED IN OUR VINTAGE CASK SOLERA VAT

「ピート焚いてっから、そこんとこヨロシク」と主張しているわけで、ここがセールスポイントでしょう。 

ただ、一口に「ピート」と言っても、本当に色々ありますよね。

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薬品臭を伴っていたり、すごく煙かったり、植物感あったりします。当然、得手不得手がでてきます。

例えば、私は乾草みたいな感じの雰囲気は好きなようです。バルヴェニーのピートウィークに青っぽさを感じて、それほど得意ではありませんでした。 

ピートについては本当に好みが分かれると思います。

「ちょっとジメットした感じが良いよね」と言う方もいらっしゃれば「煙いのならいけるけど、薬品臭は無理」という方もいらっしゃいます。

ウイスキーは嗜好品ですし「俺は今何腹なんだ?」と問いかける五郎さんのように、自分の好みを追いかけていけば良いのではないでしょうか。

でも、私がラフロイグPXを美味しく感じられるようになったように、好みの変化が生じるかもしれません。

無理のない範囲で、時々「今なら飲めるかな?」とチャレンジするのも、また一つの楽しみだと思っています。

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【旧ラベル18年との比較】

さて、これまで書いてきたように「CaskCollection」シリーズはレギュラーラインナップを意識しているように思いました。*1

SELECT CASKが12年、RESERVE CASKが15年をそれぞれ意識しているのではないか?と感じました。

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そんなわけで、VINTAGE CASKも開栓するまでは18年寄りなのかな?と思い込んでいました。

以前に旧ラベルの18年を飲んだ際には、15年との競合する部分があると感じました。

amberlover.hatenablog.jp

ところが、VINTAGE CASKは「PEATY SINGLEMALT」の看板に偽りなく、旧ラベルの18年とは全く方向性が異なる仕上がりでした。

そこで、あらためて引っ張り出して飲んでみました。

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若い部分をピートで調和させていると言えば良いのでしょうか。香りは華やかで飲んでみても様々なニュアンスが感じられました。

今回のVCは、私が好きな感じだったので「あー、久しぶりに飲んだウイスキーがコレで良かったー」と幸せな気持ちになりました。

【最後に】

箱にちゃんと「PEATY SINGLEMALT」と書かれているのに、全然イメージできていたところは反省点ですね。

次回は、あらためてSC、RC、VCをあらためて飲み比べながら、感想をまとめていこうと考えています。
では、本日はこのあたりで失礼させていただきます。

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くどいようですが、我が家のピートくんです。飄々としているようで、実は繊細です。

*1:私の手持ちが旧ラベルしかないので現行とは、また違った点があるかもしれません。