琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

アードベッグ アンオー

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Ardbeg
AN OA
最低熟成年数:不明
容量:700ml
アルコール度数:46.6%(ノンチルフィルタード)
地域:アイラ島

【香り】

潮っぽさとともに、クレオソートや松脂の香りも感じるが、柔らかい。トフィーやシロップといった濃厚な甘い香りを感じる。また、柑橘香も拾える。

【味わい】

全体的には「あまじょっぱい」感じ。口当たりは、少しクリーミー。しっかりとした甘さの中にもオレンジを思わせる酸味が感じられる。

その一方で、メンソールのような強めの爽快感やシナモンのようなスパイシーさ、少々の土っぽさも感じる。

余韻は長く、しっかりとしたピートとともに、コーヒーヌガーのようなビターな香りも残る。

【もう少し詳しく】

2017年10月に、10年ぶりのアードベッグ定番商品として発売された「AN OA」。発売当初は売り切れの店も多く、定番商品にも関わらずプレミア価格がついていました。少し前から価格も落ち着いてきたので購入した次第です。

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飲んでみた感想は、「入門用アードベッグ」なのかな?と。アードベッグの香りは好きなんだけど、もっと甘い方が良い。でも、ウーガダールは強すぎる。そんな人に、ピンポイントでヒットするウイスキーだと思います。

1年前のリリースですし、飲んだことがある方も多ければ、目ぼしい話をご存知の方も多いでしょう。ですから、私が気になるところをまとめておきます。

まず、「OA」は地名ですね。

アイラ島の南西部に広がる岩場地帯が「The Oa」と呼ばれる、南西側の海岸の崖を指して「Mull of Oa(オー岬)」と言うのだそうです。

GoogleMAPのストリートビューで見回すと、海、空、草。そして、そのなかにトゥスカニア号やオトラント号の慰霊碑が建っています。

AN OAの強めの甘さは、やはりペドロヒメネス樽を使っていることでしょうか。もっとも、PX樽原酒の構成比はあまり多くないような気がします。

この他にも「ギャザリングルーム」なる場所でバッティングしているとか、「The Gathering VAT」なるものを使っているとか、色々と面白いですね。

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「あれ、この大型樽の絵って、どこかで見たことがあるぞ?」と思っていたら、グレンフィディックですかね。

グレンフィディックの「ソレラシステム」にも、こんな風に原酒を寝かせる大きな「SOLERA VAT」が、こんな感じの大樽でした。

amberlover.hatenablog.jp

もっとも、「Gathering VAT」はかなり背が高いですが、「SOLERA VAT」は寸胴というか背が低めですね。動画で見ると、よくわかりますね。

Solera Process

まとめ

アードベッグTENは「これからウイスキーを飲む方へ」といった記事では、ピート香の強さに言及されることが多い印象を受けます。確かにその通りなんですが、その一方で、アードベッグTENには強い甘みも感じるんです。

そのTENと比べて、アンオーはさらに円く甘さが強く出ています。裏ラベルにも、こんな記述があります。

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荒波に削られて丸くなったその地形のように、角の取れた丸みのある味わいが特長です。

ですから、「アードベッグを試したいんだけど、なんか臭いんでしょ?」と躊躇っておられる方々は、「はじめてのアードベッグ」として、このアンオーを試されると良いんじゃないかなあと思いました。

それでは、今日はこの辺で失礼します。