琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

ザ・マッカラン 12年(サントリー酒類表記)

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MACALLANSherry Oak)
地域:スペイサイド(ハイランド表記)
サントリー酒類時代

最低熟成年数:12年
容量:350ml
アルコール度数:40%

【香り】

黒砂糖を思わせる甘みと同時に、中国の黄酒を重い浮かべる酸味が混じり合う。レーズンやバニラの香りも感じるが、徐々に焦げた木の香りも強くなる。

【味わい】
甘い香りとは裏腹にスパイシーな口当たり。焦げた木の香りが影響するのか、中盤以降は少しショウガのような刺激も感じる。余韻はレーズンの甘やかな香りとウッディでドライな香りが混じり合う。少しぴりぴりとした刺激も感じる。
 【サントリー酒類表記について】
 現行のマッカランの裏ラベルは「サントリースピリッツ」ですが、このマッカランは「サントリー酒類」と書いてあります。おそらく2015年1月1日からビームサントリー社と経営統合したことが理由だと思われます。

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【もう少し詳しく】
さて、「シングルモルトロールスロイス」という言葉で有名なマッカラン。この言葉はハロッズが1978年に出した『Harrods Book of Whisky』という本に書かれた「a Rolls Royce amongst malt.」が原文です。このあたりの話は、過去にまとめたので割愛します。

amberlover.hatenablog.jp

泣く子も黙るマッカラン。日本酒党のお義母さんから「ウイスキーといえば、マッカランはどうなの?」と訊かれるぐらいには知名度が高いです。それゆえ、とかく話の場が荒れやすいと感じますが、記録するなら今しかないと思いました。それは、先日のモルト会がきっかけです。

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バーテンダーの方がブラインドテイスティングを用意してくださっていたのですが、参加した全員が回答を外したんですね。私も「ピートが昔のっぽいなあ」とか思いながら、見事に外してしまいました。まさか閉鎖蒸留所のものが出されるとは……。

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バーテンダーの方いわく「ラベルを見てしまうと、やっぱり先入観が入ってしまうんですよね。それに、骨董品じゃなくて飲み物ですから」とのこと。本当にそうですよね。先入観を抱いて飲んでいることがよくわかり、反省しました。

そこで、自戒を込めてあらためてマッカラン12年にトライしたというわけです。

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 あらためて飲むと、確かに唯一無二の存在では無くなったとは感じます。それでも、私自身は現行のマッカランもいいじゃないと思っています。

確かに大きな変化は感じません。12年表記が正直に出ているとも言えるし、40%という度数も影響しているととも言えるでしょう。

ただ、オンザロックで飲んだときは「へー!」と思いました。オンザロックだと、液体が冷やされたり氷が溶けたりすることでバランスが崩れがちです。でも、今回は大きく崩れませんでした。

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確かに少し甘さが強調されてしまうものの、「どうしたこうなった……」というようにガタガタっと崩れることはありませんでした。

さて、ではこのマッカラン12年をどう考えるか?

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私自身は現行のマッカラン12年シェリーは飲んでおくべきだと思います。そもそも飲まずに意見は持てないし、他のシェリーものを飲む際の指標の1つにもなるでしょう。

 ただし、「定価で楽に手に入るなら」です

少し前に「休売だー!」と騒ぎになるような状況がありました。血眼になって探したり転売価格で無理に購入するなら、穏やかな気持ちでグレンフィディック15年を買った方がいいんじゃないの?と思います。

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そのうえで、グレンドロナックやダルモアグレンファークラスなど、他のシェリー物と比較してはいかがでしょうか。「マッカラン以外にも選択肢が増えてきた」と考えれば、それはそれで良いことだと思います。

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ちなみに、現行マッカランの12年だと、意外にファインオーク12年が飲まれていない印象を受けます。

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もちろんファインオークは名前からわかるように樽構成が違ってバーボン樽熟成の原酒も使われています。でも「マッカランシェリーじゃー!」と言わず、飲まれることをおすすめします。

現行マッカランの話は荒れやすいです。荒れないといいなーとドキドキしながら書きました!