琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

山崎 25年 サントリー

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山崎 
THE YAMAZAKI SINGLE MALT WHISKY
AGED 25 YEARS

最低熟成年数:25年
アルコール度数:43%
容量:700ml
地域:日本
種別:シングルモルト

【香り】

注いだ直後は焦げたような樽香が目立つが、徐々に豊かで厚みのある香りが大きく広がる。レーズンの甘い香りと煮詰めたイチゴの甘酸っぱい香り。他にもバニラ、クリームブリュレ、アプリコットなど、非常に複雑で濃厚な香り。少し待っているとダークチョコレートの香りも拾える。

【味わい】

開栓直後は焦げたような香りに影響されたが、時間が経つと本来の味わいが顔を出す。アルコールの刺激はほとんど感じない。粘性を感じる舌ざわりは口の中でより一層クリーミーになる。ベリー系の酸味を感じるが、すぐにビターな甘さも混ざり心地よい味わいが続く。余韻は長く、樽香を中心に長く豊かに残る。

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 響30年も「ヤバい」「美味い」の連発でしたが、今回の飲み比べで吃驚したのは山崎25年です。香りも味わいも非常に複雑なので、言葉を増やせば増やすほど自分の底の浅さが露呈する気がしました。なので、テイスティングノートを書くのが辛かったです。もうね、いっそのこと、これでいいんじゃないのかと思うんです。

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とは言うものの、それなりに思うところもありました。それは山崎25年と山崎18年との方向性の差、そしてリミテッドエディションについてです。

リミテッドエディションは2014年だけ少し異質でシェリー樽の要素を強く感じたが、2015年以降はスパイシーな要素が主張するという部分は既に書きました。

amberlover.hatenablog.jp

山崎18年はクリーミーで蜂蜜の甘さを感じます。そして、余韻はスパイシーな感じも主張していました。これらの要素は2015年のリミテッドエディションと似ていると感じます。後半の減速はともかく、これらを指して「リミテッドエディション2015は疑似山崎18年ではないか?」と考えたわけです。

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スパイシーな要素について考えてみると、やはり樽由来だと考えます。以前に参加したショコラセミナーで「山崎18年にはミズナラ樽熟成の原酒も使われていますよ」と説明を受けた記憶があって、その影響でしょうか。

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これに対して、山崎25年はシェリー樽の要素が凝縮されています。ベリー系の味わいやダークチョコレートのニュアンスを感じられるのは特筆すべきだと思います。良い樽を使ってるんだろうなあと感じましたが、樽香に敏感な方は「ちょっとキツい」と感じるかもしれません。じっくり待って変化を楽しむのも良さそうです。

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ちなみに、響17年と山崎12年の構成原酒シェリー樽も飲み比べましたが、どちらかと言えば自分でグレーンをブレンドして楽しむほうが面白いと感じました。

f:id:pasapasadayo:20180305232952j:plain今回は時間が無かったので楽しめませんでしたが、次回こそはグレーンも注文して、蒸留所でしか味わえない体験をしたいと思っています。

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