琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

ラフロイグ ペドロヒメネスカスク トリプルマチュアード

 

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感想

 簡潔にまとめると「ちょっと甘い感じのラフロイグ」。
 もう少し丁寧に書くと、最初はベリーとかブドウの甘酸っぱい香りが広がりますが、じわじわとピート、ヨード香が広がってきます。あとは、ナッツ、ヨード。木のえぐみも感じます。ただ、他のラフロイグ、例えばクォーターカスクや10年などと比べると甘みが厚いです。このあたりはPXの影響でしょうか。
 余韻はけっこう長いです。口当たり同様に粘性のある甘さが残りますね。ただ、口の中は甘くて鼻孔はスモーキーで「下は大火事、上は洪水、なーんだ?」みたいな感じです。全体的には甘さが押し勝つ印象ですが、人によっては混乱するかもしれません。ただ、好きな方にはたまらないでしょうね。

その他いろいろ

 「TRIPLE MATURED」と書いてあるとおり、3つの樽に移し替えて熟成させているウイスキーです。

  1.  まず、バーボンを作ったあとの樽*1に原酒を入れて、5~7年間熟成させます。*2
  2.  次に、クォーターカスク*3で7~9か月間熟成させます。
  3.  最後に、ペドロヒメネス(PX)という極甘口のシェリー酒を作ったあとの樽で1年間熟成させます。なお、PXについては、こちらで少し触れているので、合わせてご参照ください。

最低熟成年数については表記されていませんが、計算するとこんな感じでしょうか。

  • 最短の最低熟成年数:5年+7か月+12か月=6年7か月≒6年
  • 最長の最低熟成年数:7年+9か月+12か月=8年9か月≒8年

 ……合ってるかなあ?

 スタンダードな10年と飲み比べると面白いと思います。 なお、注いだ直後に飲むとゴムっぽさも感じるので、時間をかけてゆっくり飲んだほうが良いと思います。

おわりに

  「このブログの方向性」でも登場しました。PXの影響があって確かに甘いのですが、何というか、ちゃんとラフロイグです。「えー、これがラフロイグ?」とは思わないでしょう。器用に作られています。

 公式サイトでは売り切れていますが、Webサイトを中心に在庫はあるようです。バーで飲んでいる方もちらほら見かけるので、興味を持たれた方は、是非お試しください。

*1:ex-bourbon barrel

*2:メーカーズマークを作ったあとの樽という話もあります

*3:quarter cask。しばしば「通常の1/4」と言われますが、シェリー樽の1/4で具体的には127~159リットルの容量だそうです。ただ、ワイン樽の1/4サイズの55リットル程度のクオーターカスクもあるそうです(『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015上巻』P90)