サントリー 山崎リミテッドエディション2014~2016の比較(冊子の写真多め)
前回の最後は「小冊子が付属するんですよー」というところで終わったので、今回は冊子の紹介から書きます。
冊子の外観と中身について
2014、2015、2016と三冊並べてみると……2014だけ、ちょっと大きいです。
また、 2014だけ表紙の質が違って厚いです。また、写真では分かりづらいですが、冊子の色も2014だけマットブラックです。全体的に「2014年の冊子は気合入ってるなあ」と感じました。
内容も充実していて山崎について色々と書かれています。例えば、山崎の歴史についてやラベルについての豆知識とか……
山崎のラインナップとか……
そして、もちろんテイスティングノートも書かれています。
このテイスティングノートは分かりやすく、私でも書かれている要素をほとんど拾うことができました。また、カスタードクリームという表現は「なるほどなあ」と勉強になりました。
……ただ、気になることが一つあります。テイスティングノートの文面が同じなんです。
LE2014のテイスティングノート
LE2015のテイスティングノート
LE2016のテイスティングノート
左のページだけ切り取ったら、どの年代か全くわかりませんよね。
ちなみに、誤植はちゃんと訂正されているので、文面が同じなのは意図的でしょう。
実際に、webサイトを見ると、例えば2015の場合には中味は2014と同じですと書かれています。
「山崎LIMITED EDITION 2014」の中味はそのままに、装いを新たにして登場です。
したがって、サントリーとしては「どのエディションも同じなんですよー」というスタンスは間違いないでしょう。ただ……飲み比べてみると全く同じとは言えないと思えないんですよね。
2014~2016で同じところと異なるところ
まず、確かに香りの方向性は共通しています。第一印象は長熟を彷彿させます。私は「あれ、山崎18年と似ているな」という印象を受けました。
その一方で、時間が経つと香りに違いが出てきます。LE2014はシェリーやポート由来か熟成した果実の香りが強く、LE2015とLE2016は木の印象が強くウッディ―でした。
また、味わいにも差を感じました。最も熟成感があると感じたのはLE2014です。これに対して、LE2015とLE2016はスパイシーでボディも軽く、若い原酒を感じさせる要素がありました。
とは言うものの荒い味わいではなく、そこそこの熟成年数は感じます。おぼろげながら、昔飲んだ山崎12年構成原酒シリーズが頭に浮かびました。
全体的に上手に作ったなあと思います。ただ、今回紹介した2015は深い香りの割にボディの軽さを感じるので、ややアンバランスな印象を受けました。
私はちょこちょこと長熟を飲む程度ですが、長熟経験値の高い方ほど「あれれー?」と首を傾げる気がします。
味わいの差が生じる理由について
リミテッドエディションの原酒構成については、公式サイトで以下のように書かれています。
私としては年を追うごとに「2.」の比率が高まっているのかなあ、その結果として、ボディの軽さやスパイシーな部分が目立ってきているのかなあ?と思っています。
ただ、様々なウイスキーブログを読んでいると、別の理由を挙げている方もいらっしゃいます。例えば、「構成比率は同じだが、原酒が毎年熟成していくことで味わいに変化が生じる」という話もあります。
確かに樽で熟成させる以上、毎年味わいが変化していくのは確かなことでしょう。言われれば「ううむ、なるほど」と納得できる話ではあります。
ただ、それでも「本当に、熟成だけが理由かなあ」とも思ってしまいます。しつこくてすみません。
まあ本当に知りたければ、サントリーさんへ問い合わせたほうが早いのですが、そこまでしなくてもいいかなーと思っています。あーだこーだと言っているうちが楽しいのかもしれませんね。