琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

ジェムソン スタンダード その1 現行品 40%

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 【香り】

オレンジのような暖かな柑橘系の香りとシェリー香。シンプルな穀物の香りとともに、紙のような香りも拾える。

グラスに鼻を近づけて強めに香りをかぐと、柔らかい木の香り。残った香りをかぐと、オイリーな印象を受ける。

【味わい】

まろやかな口当たりだが、喉の奥でしっかりと主張する。ほのかな甘みを感じるが、印象としては軽い。余韻はやや短めで、心地よい渋味と柔らかな甘みを感じながらキレ良く急速にフェードアウトしていく。

【もう少し詳しく】

最近になって、片田舎の酒屋さんでもアイリッシュウイスキーを見る機会が増えてきました。タラモアデューやブッシュミルズ、カネマラやターコネル、キルベガンあたりも近所のスーパーで見かけるようになりました。

ウイスキー文化研究所が発行している『WhiskyGalore』の最新号もアイリッシュウイスキー特集です。

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そんなアイリッシュの代表格が「世界一愛されているウイスキーを謳っているジェムソンです。ただ、ジェムソンは「ジェムソン蒸溜所」じゃなくてミドルトン蒸溜所で造られていて……という話は、以前にカスクメイツをまとめたときに触れたので割愛します。
amberlover.hatenablog.jp

さてさて、ジェムソンと言えば、最近色々と動きがありましたね。

まず、「ジェムソン ボウ・ストリート18年」が発売されました。公式情報によると、以下の特徴を前面に打ち出しています。

  • ミドルトン蒸溜所で蒸留し18年間熟成させる。
  • ジェムソン発祥の地であるダブリンのボウ・ストリート旧蒸溜所に移す。
  • 1stフィルバーボン樽で仕上げる。
  • 定番商品としては初めてのカスクストレングス

ちなみにアルコール度数55%、お値段は1万円台後半になりそうですね。なかなか面白そうです。

www.jamesonwhiskey.com

次に、「ジャパンリミテッド2018」の販売です。ブランド史上初となる1ヶ国限定のデザインボトルとのことで、アイリッシュ精神を日本的に表現したのだとか。

確かになかなかアーティスティックな感じです。ただ、中味はいつもどおりのジェムソンスタンダードのようです。

スーパーのお酒売り場でもたくさん並んでいるので気軽に買えますね。

www.pernod-ricard-japan.com

さて、くどくどと書いてきましたが本題に戻ります。「ジェムソンってどんな味?」ということをまとめていきます。

ジェムソンと言えば「3回蒸溜でノンピートですっきりとした味わい」という謳い文句ですね。そして、大きな癖が無いことから「アイリッシュコーヒー」などのカクテルを作る際に、ベースとして使いやすいということは広く知られているところです。

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ただ、その部分で味わいを表現してしまうのは、ちょっともったいないなあと思うんですよね。

というのも、「すっきり」と聞くと、私は「後を引かない」というイメージを持ちます。つまり余韻の部分を表現している気がするんですよね。

では、「香りや飲んだ瞬間の味わいはどうなのか?」と言うと、あまり触れられていない気がします。

実はペルノリカールさんの公式情報には掲載されているのですが、自分なりにまとめておきたかったわけです。

www.pernod-ricard-japan.com

ちょうど、現行40%と旧ラベルの43%版の2種類のミニチュアボトルが手元にあったので、今回は現行品を、次回は43%のジェムソンスタンダードが旧ラベルのジェムソンを飲んで、比較しながら特徴を考えていくことにしました。

度数を40%に揃えるか迷いましたが、度数違いも面白いかなと思った次第です。ご容赦ください。

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香りや味わいはテイスティングコメントで書いているので、ここからは感想文を書いていきます。

まず、香りについて。これ、もっとプッシュすべきだと思います。例えば「甘くふくよかな香り」とか謳っても良いんじゃないかなあと思うんですよね。

ちなみに、「なるほど、これは売れるよなあ」と思ったのがオンザロックで飲んだときです。

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確かにいくつか香りは抑えられてしまいますが、ビターな部分が良い感じに強調された印象を受けました。ともすれば1000円前後のブレンデッドは、荒々しいと言うか刺々しいというか、強めのアルコール感が押し寄せるものがあります。

その点、このジェムソンスタンダードは穏やかで柔らかくて非常に良いです。また、味わいもガタっと崩れず、するする飲めちゃったんですよね。

そして、外せないのがハイボールですよね。

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これ、美味しいんですよー。

デュワーズハイボールも美味しいのですが、ジェムソンのハイボールはちょっと甘い感じで、デュワーズとは系統が異なります。このあたりの飲み比べは、また今度やってみます。

お酒が強い方は「ビアバック」なんかも楽しいでしょうね。ビアバックって、要はチェイサー代わりにビールを飲むことなんですが、アイルランドでは1602年頃から続く定番のスタイルだそうです。

いいですよね、こういう肩ひじ張らない感じ。大好きです。
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私はお酒は強くないのですが、ビールそのものは好きです。

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我が家は料理担当が私なので、キッチンドランカーというか、料理を作ったり食器を片付けたりしながら飲んでいます。

COEDOさんのINDIAペールエール

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SAPPOROさんの黒ビール

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キリンさんのGRAND KIRIN JPL

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同じくキリンさんの一番搾りプレミアム

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ヤッホーブルーイングさんの僕ビール君ビール。

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すみません、楽しくなっていっぱい写真を載せちゃいました。

話を元に戻します。今回のミニボトルは200円台で、気軽に買える価格です。炭酸水と氷をセットで買ってもワンコインで収まります。

色々書き連ねてきましたが、是非、ご自身で試されることをお勧めします。美味しいですよ。

ちなみに、ジンジャー&ライムは、すごくすごく美味しいです。普段ウイスキーを飲まれない方にもオススメですよー。

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最後になりますが、ジェムソンは2009年のWP試験で官能試験に出題されています。そんなわけで私も練習に取り入れました。「ノンピートだし色も濃いし、ちょっとシェリー香あるしわかるでしょ」と思いきや……どうしてなかなか難しかったんですよ。

さすがにアメリカンとかモルトウイスキーとの区別はつくのですが、ピート感が薄いブレンデッドスコッチとの区別が難しかったです。

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最終的にはノンピート感と少し紙っぽい感じ、奥の方に潜むオイリーな感じを理解することができたのですが、スーパーで買い物をしている際に妻から「これあんたがよく外すジェムソンや」と言われてしまったこともあります。

最近はすっかり忘れているようですが、今でも酒コーナーを通りかかったときは、ちょっと身構えてしまいます。このまま忘れていてほしいなあと思いながら、本日はこの辺で失礼します

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