ザ・グレンリベット ヴィンテージ(Glenlivet Vintage Series Box Set)
今回は、3月17日に参加したグレンリベットの会についてです。
【グレンリベットについて】
グレンリベットはエピソードには事欠きません。密造酒なのに国王が気に入っちゃったり、酒税法が改正されて政府公認第1号蒸留所になったり、それが原因でジョージスミスが同業者から命を狙われたり、「THE」がつくエピソードがあったり……などなど。
こうした話は公式サイトに書かれているので、是非そちらをご覧ください。
日本語訳が粗いかな?と思う部分もありますが、読んで意味を理解することには全く問題ないでしょう。
【今回の「Glenlivet Vintage」について】
今回用意していただいたものは、「Glenlivet Vintage Series Box Set」です。公式のディスティラーズボトルで、容量は200ml。瓶詰は1998年となります。
立派な木箱に入っていました。
内訳は以下の通りです。
- 1972(26yo)alc.54.29%
- 1970(28yo)alc.56.42%
- 1969(29yo) alc.52.20%
- 1968(30yo) alc.52.75%
- 1967(31yo)alc.53.32%
ラベルには「SAMPLE CODE」なるものも書かれています。こちらは画像でご確認ください。ちなみに、1971はストックが少なくてボトリングできなかったのだとか。
さて、「カスクなので、開いてくるまでに時間がかかるでしょうね」ということで、先に現行のリベット12年をいただきました。こちらも、たまたま切り替えのタイミングだったので、目の前で抜栓していただきました。
現行品については以前にミニボトルを買って飲みましたが、今回あらためて「やっぱり雰囲気が変わったかな」と感じました。
ただ、私が愛飲していた時代は15年以上も前です。変わるのは当然ですし、何より私自身の味覚が変わってきているのでしょうね。
amberlover.hatenablog.jp
さて、隣に座られた方から京都のバーについてお話を伺ったりバーテンダーの方とグレンリヴェットに関するおさらいをしながら、ちょっとずつ飲んでいきました。
割と最初の段階から「これいいね」と人気があったのが、1968です。
【THE GLENLIVET 1968-1998】
THE GLENLIVET 1968-1998
熟成年数:30年
アルコール度数:52.75%
抜栓直後は、最も香りが穏やかでした。リンゴのような甘い果実香が中心で、オレンジキュラソーのような少し人工的な香りと穏やかなピート、素朴な麦の香りといったところでしょうか。
個人的には、最初の1時間ぐらいは「すごく上品なんだけど、ちょっとおとなしいかなー?」という考えていたところ、そこから一気に甘く濃厚な熟成香が加わり、ググっと変わってきました。
その一方で、味わいは香りと比べてシャープな印象で、少し短めの余韻で、すっとキレていく感じでした。
1968以外については、様々な話が出ました。
1972にはシナモンのようなスパイシーな香りがしっかりと出ており、それが好きだと仰る方もいらっしゃいました。1967を、赤玉リベットのような懐かしさを感じるから好きだ、と仰る方もいらっしゃいました。
私は、香りは1968が気に入りましたが、バランスを考えると1970も気に入りました。
ここまでくると、どれが美味しいとかではなくて好みの問題になってきます。そのため、「美味しい」ではなくて「気に入った」という表現の方が適切でしょう。「君に決めた!」という感じです。
ピカチュウが好きでもゲッコウガが好きでも、マタドガスが好きでも良いですよね。「これが好き!」と言うこと、自分も相手の気持ちを尊重すること。そういうことって、大切ですね。
あ、でも「『はねる』を50回使うと『はかいこうせん』が使えるようになる」と言っていた人のことは、今でもちょっとだけ恨んでいます。ちょっとだけ、ですけれど。
【最後に】
イギリスに「March comes in like a lion, and goes out like a lam.」という諺があります。「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去っていく」となります。『3月のライオン』という漫画のタイトルは、ここから名付けられていますね。*1
https://3lion.younganimal.com/
もともとは気候の変化を表現した諺だそうですが、「3月はライオンのようにやってくる」のは仕事についても言えることで、「仕゛事゛が゛終゛わ゛ら゛な゛い゛よ゛お゛ぉ゛!」と嘆く日々が続きました。
こうなると楽しみがないとやってられません。その楽しみが、今回の「Glenlivetの会」でした。
「人生っつーのは、重い荷物を背負って遠くまで歩くようなもんよ。焦るなよ」とは徳川家康の遺訓ですが、確かに焦ると腰を痛めますね。
倦まず弛まず焦らず、ウイスキーを飲んでリフレッシュしながら、一歩いっぽ進んでいきたいですね。そんなことを思いつつ、本日はこのあたりで失礼させていただきます。