琥珀色の研究 -A Study in Amber-

( ・x・)<琥珀の沼で泳ぐ「ぱさぱさ」です。ご一緒にいかがですか?

フェイマスグラウス 1970年代流通 ”ウイスキー特級” ハマヤ取扱い

 

フェイマスグラウス

 THE FAMOUS GROUSE FINEST SCOTCH WHISKY 

・特級(ハマヤ総発売元時代 1974年~)
ブレンデッドウイスキー
・熟成年数:記載なし 
・蒸留年数:記載なし 
・アルコール度数:43%
・容量:750ml

 【香り】

 真っ先にケーキシロップ、カラメルのような甘い香りとともに、熟したイチジクのような芳醇な香りや穀物の香ばしさ。落ち着くと、スモーキーさと同時にオレンジ系の爽やかさが含まれた香り。

 【味わい】

とろりと粘性がある舌ざわり。レーズンのような甘い香りが長く残る。ピート、干し草。ただ、余韻はビターで長い。

 ロックでは、ストレートと比べて甘さが抑えられてスモーキーさを感じる。

 フェイマスグラウスについて

 現行品は700mlで1000円台後半と比較的お手頃プライス。現在でもスーパーで買えるウイスキーの一つです。ただ、歴史は長く、発売されたのは1897年。

 その当時に富裕層で流行していた「雷鳥狩り(グラウスシューティング)」にちなみ、マシュー=グローグ氏が発売したウイスキーが「ザ・グラウス・ブランド」でした。これがフェイマスグラウスの始まりで、現在に至るわけです。ちなみに、雷鳥のデザインは娘であるフィリッパさん。*1

 ラベルについては、何回かリニューアルされ、草むらに立ったり小道に立ったりしていますが、私は今回のボトルの絵が一番好きだったりします。

 f:id:pasapasadayo:20180119102009p:plain 

 その後、1970年にロバートソン&バクスター社(現在のエドリントングループ社)へ経営権が譲渡され、ハイランドパークがブレンドされるようになり、売り上げが急激に伸びて文字通り「フェイマス」になっていきます。

  • 1970年:9万ケース
  • 1980年:100万ケース
  • 2012年:330万ケース*2

今回は、まさにスターダムへ駆けあがりつつある1970年代の一本です。

 日本への輸入について

 ちなみに日本への輸入について調べると、1974年にハマヤ株式会社が取扱いを始めました。ハマヤさんのHPに掲載されている沿革にも書かれています。

1974年(昭和49年) スコッチウイスキー「フェイマスグラウス」の販売を開始

http://www.hmy.co.jp/history.html

f:id:pasapasadayo:20180104123019j:plain

 今回のボトルはネック部分が丸くなっています。ハマヤの字が消えて松下電器だけの時代はネック部分が直線になるようです。ただ、アイスペールと同梱されたボトルはハマヤ時代でもボトルネックが直線のものを見たことがあるので確認したいなあと思います。

おわりに

 このボトルは、特級を意識して飲んだ初めてのボトルです。甘さが強いものの、べったりとした感じではなく、むしろ後味は少しドライで「あ、麦の飲み物なんだな」と感じました。

 また、飲んだ後も鼻腔に甘い香りとピート香がバランスよく残り、現行のフェイマスグラウスとは異なります。 

 ちなみに、英語サイトを覗くと目ぢからの強い雷鳥がお出迎えしてくれました。ワイルドなターキーみたいで、ちょっとびっくりしましたが、数パターンあるようで、ときどき優しい雷鳥と出会えます。興味がある方は、ぜひオフィシャルサイトもご覧ください。歴史紹介なんかも簡潔に書かれています。

thefamousgrouse.com

 

*1:土屋 守『ブレンデッドウイスキー大全』P65

*2:土屋 守『ブレンデッドウイスキー大全』P66